2003-09-01から1ヶ月間の記事一覧

珍説愚説辞典 国書刊行会 ISBN:4336045291

著者たちが思い立って14年、増補版まで30年余。翻訳が着手してから完成まで5年。この広大な書物の何がこの人たちをそこまで駆り立てるのだろうか。 辞典にはそれ自体が持つ、拾い集めた事実の集積が多ければ多いほど、ある瞬間とてつもないナンセンスの…

ねこの(トンデモナイ)恩返し 浅暮三文さんのネコ話

過日、某酒房で同席した際、こんな話を聞いた。あんまり嬉しいのでご本人の了解を得て、ここに書きます。 ずっと前、浅暮さんが、広告業だった6畳一間にすんでいた頃の話。 仕事から、疲れてかえったら1匹のネコが紛れ込んでいたそうな。なんともかわいそ…

シャグパットの毛剃

開巻一読、書を置く能わず。 古くさい言い回しだが、これが、この本を読み終わった瞬間の感想。 当時人氣のアラビアン・ナイトの幻想世界を、才気煥発のストーリー・テリングと絢爛たる修辞でもって再現した作品。いわば、ゴシック・ロマンの掉尾を飾る名作…

先日に続き、K書房へ。

日本人信徒発見のエピソードで知られるプチジャン師ほど有名ではないが、素天堂にとっては幕末明治における大改変期に重要な役割を担っていたひと、ド・ロ神父の評伝「神父ド・ロの冒険」を注文しておいたものの引取りに。 店内を一回り、「妖精の輪の中で」…

シャンボール城倒壊!

9月2日付「朝日新聞」の海外コラムでロワール川の名城「シャンボール城」で部屋の床が抜ける事件が起きた。観光客40人が巻き込まれ、何人かは、下の部屋まで落下したとか。 500年たてば、万能の天才「レオナルド」の神通力も薄れてしまうかもしれない…

「日本の鶯 堀口大学聞書き」

先日、関容子「日本の鶯 堀口大学聞書き」入手。 まるで、詩人との相聞のような全体の流れと、最初の頃の緊張が緩やかに解けてゆく流れが心地よく、ゆっくりと詩人の全体像がそうして現前してくるのがドキドキするようなスリルが。渋る老詩人に決して理詰め…