2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

時間旅行 「探偵小説四十年」と乱歩の思い出(仮)

石井春生さんのお誘いで、推理作家協会「土曜サロン」の傍聴者として、十一月十九日、八木昇氏による標記の講演を拝聴することができた。石井さんのお話では、前日までお話を渋っていた由にも拘わらず、たくさんの貴重な資料を示しながらの熱弁であった。さ…

哲学者としての執事 月長石 (創元推理文庫 109-1)

とりあえずと買ったときにもうヨボヨボだった。カバーもない裸本。 買ったからといってそうそう読める分量ではない。なにしろ創元推理文庫で七七〇ページ。あの「黒死館」を包含する大冊、日本探偵小説全集第六巻「小栗虫太郎集」を軽く凌駕する分量にビビっ…

足を引っ張る 

ミーハー・ファンでしかなかった素天堂に声がかけられ、年譜と目録の編纂の手伝いを呼びかけられたときには、手元にはあったものといえば、かすかに残る思い出くらいが財産だった。わずかに表紙の取れた新潮文庫と、古本屋も買わない一冊のアンソロジー。あ…

久しぶりの鎌倉

といっても素天堂・絹太のことである。建長寺も明月院もあったものではない。お茶と食事で休憩した以外は、結局古本屋巡りである。 小町通の喧噪を煩わしく思いつつ、足早に通り抜けてまずは「藝林荘」。大きいものは買う気がなかったのでまずは店頭の見切り…