2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

畏怖と羨望 米沢嘉博に花束を 虎馬書房2007

ここに一冊の本?がある。刊行はアスキー出版局一九九五年。重要な発行日付は十二月二十五日。マイクロソフトの画期的なWindows95の日本発売の一ヶ月後、それまで電子機器にまったく縁のなかった素天堂が初めて手にしてコンピュータのOSであり、そしてそれ…

できぬことならやらぬがよい

この数週間、あの類人猿俳優の怪演にもかかわらずミステリー・チャンネルでの『岩窟王 モンテクリスト伯爵』を楽しみにしていていたのは、悲しみに打ちひしがれるマクシミリアンの前に、最後の最後に現れる再生された「ファラオン号」のマルセイユの港に入る…

通販開始お知らせ

本日より通販窓口改訂いたしました。 よろしくお願いいたします。

72コミケ御礼

18日は涼しい一日で、一般入場の方も過ごしやすかったのではと思います。 毎回楽しみにして頂いて新刊をお買いあげの方々、大人買いをしてくださった二名さまを含めて、みなさま、有難うございました。探偵小説モードの強い第三巻だけを買ってくださった方…

Die Konigin in Wire Action 雪は敵同士を包み、雨はすべてを洗い流す。

十数年ぶりに日比谷で映画を見る。『魔笛』をケネス・ブラナーが第一次世界大戦を舞台に映画化したものだというので、興味津々、日曜の早朝だというのに、K氏を引き連れて出かけてきました。 序曲に乗って西部戦線の塹壕が拡がる荒野、ズームしていって主人…

18日土曜日、東Jブロック-32b

新刊「黒死館逍遙 第五号」が届いた。今回のカラー口絵は、K氏絶不評の〈カール・テオドル肖像〉。チャーミングな顔立ち、お洒落な衣装、素天堂的には今回の内容にもっともふさわしいと思っているのですが、ヴィジュアル的に問題があるということで、会場で…

ルクレツィア再会

国立西洋美術館で、パルミジャニーノと会ってきたのは、もう三週間も前だ。無理矢理時間を捻出して「ルクレツィア」に再会した。紅潮した肌と宙空を見据えた眼、胸に刺さった短剣とそれを持つ手。小品ながらもパルミジャニーノにしては破綻のない佳作である…

ダーガーの魔

あの地獄の真っ最中に品川の坂を上り、八山橋を越えて、久し振りに「原美術館」をおとずれた。お目当ては最終日の『ヘンリー・ダーガー展」である。素天堂の「この展覧会、きっと空いてるよ」という願望は、同じ方向に向かう人並みの多さで、まず砕かれた。 …

脱稿!!!

三ヶ月にわたる取っ組み合いからやっと生還。目の前を包む濃い霧のあまりの深さに、何度か投げ出したくなった今回の作業だった。漫然と聞いてるものならまあ良い。音楽なんていうものを「黒死館」と結びつけようとしたのが運の尽きだった。 四人の楽人から墓…