2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

忽驚 理路整然 『異端の畫家』森口多里 日本美術学院 大正九年刊

初めて見た手の切れそうな彼のイラストは、雑誌『Yellow Book』の表紙の単色版だった。 今は手元にない本を検索してみると、その雑誌は『SD 25号 特集・世紀末芸術再発見』1966年12月だった。あとで見付けた、『美術手帖 特集: アール・ヌーボーと現代』1965…

行きもしなかったステーキ屋さん

の名前が書いてあったとしても、一体どうしたことだろう。あの店が何か話題にでもなっているのだろうか。 自分としては、あのちょっと暑い夏の日の、神戸の点景に触れただけだったのに。入れはしなかったかも知れないが、神戸の名店を加えると、ちょっと雰囲…

これは懐かしい!

K氏がいつも買い物をしている本八幡のスーパーマーケットで、オーストラリアでは、コアラもミカンを食べるのか、コアラのイラスト入りのミカンを買ってきた。遅い晩飯のデザートで出されたのだが、実と皮がしっかりしていて剥き甲斐があり、中の袋も厚めであ…

咀嚼力

森口多里という名前は少なくとも美術史に関心のある人であれば、ご存じのことだろう。大正から昭和初期にかけて洪洋社から出版された広範な『・・の文化と建築』シリーズや、一度は眼を通しているはずの通史『近代美術』の著者である。だから、松屋の古書展…

雑司ヶ谷の寒風にめげず

久しぶりに、少し纏めて辞典作業でもと思っていたら、K氏に、〈わめぞ〉に行こうと声をかけられた。ちょっと前に池袋古本行脚敢行の際、お気に入りだった古書店「往来座」の店外で、小さな古本市があるんだそうだ。そういえば、谷中の青空一箱古本市に出店し…

年明けの椿事 アセテートで大賑わい

仕事始めの緊張で、二、三日、日記を休んで(もっと長い時もあるが)いる間に、アクセス数が爆発的に伸びてビックリした。原因はこちら。藤原さんには先号の『黒死館逍遙第七号』をご紹介頂き、〈今日のあぶく〉効果はいやと言う程存じているつもりだったが…

たまには、ここもいいカモメ

三十、三十一、明けて一日と、今年の正月は、例年になくノンビリモード。K氏の提案で、すでに恒例となっている松屋の古書展に自転車で出動する。途中永代橋から新川に入って、旧居近くの隅田川堤で一服。カモメが群がる鳩共を睥睨するように手摺に停まって…

〈六道の辻〉に迷う

一回迷い込んでしまった、迷路はいつまで果てることもないけれど、その迷路に居心地の良さは格別だ。 新春といっても殊更変わったこともないにしても、傍らに親しい人がいて、話を交わすことに、やっと慣れてきたのは、何とも嬉しいことだ。文字通り、牛歩の…