2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

黙祷

いつでも人は死んでいるし、見えないところで人が少しずつ消えていくのは当たり前のことだ。 多少の縁があったとしても、多い時で年一回、甚だしくは六年以上音信がなければ、他人に等しいはずだ。だから、知らないところでいつの間にか亡くなられた方がいた…

幻の島で語られるもの

幻島ロマンス ゾナ・ゲール/野口米次郎 世界大衆文學全集32 改造社1929 Romance Island 1906 Gale, Zona, 1874-1938 THE BOBBS-MERRILL COMPANY INDIANAPOLIS 実は、今回この作品を読むまで、ずっと表題を『氷島ロマンス』だと思い込んでいた。読みもしない…

通販機能更新しました

以下をご覧下さい。 http://klio.icurus.jp/kck-dic/frame.html http://www5.ocn.ne.jp/~k594k/tuhan.html どちらからもアクセス頂けます。 今回から、案内ページと通販フォームが別ページになりました。そのかわり、メール送信が1回ですむようになります。…

節目

去年からの懸案だった、年金受給の手続きを取ってきた。K氏の例によって綿密な事前検証で、書類も完備していたせいか、手続は10分ほどで完了。数ヶ月後には晴れて年金受給者となることに決定。しかもすっかり念頭になかった旧勤務先の企業別年金も加算され…

梅が見たい

そう言いだしたのは自分なのだが、心づもりでは近所の天神様でいいと思っていた。それを、遠く離れた〈と思い込んでいた〉梅ヶ丘はどうだと言ってくれたのは、K氏だった。 実際に路線図を見てみたら、目的の羽根木公園には、都営新宿線で一本の、京王線明大…

道玄坂を降る

東京オリンピック前のことだが、溝の口の町から渋谷に出るには、自分にとって二種類の道順があった。当時は終点であった溝の口駅から、東急大井町線で自由が丘まで出て、東急東横線に乗り換える。もう一つは大人はしないが、時間の有り余る子供にとっては一…

『乱れからくり』の衝撃

泡坂妻夫氏がなくなられた。泡坂さんといえば、雑誌『幻影城』を忘れるわけには行かない。 と書きかけたところで、本多正一さんからお通夜でのことをご報告頂きました。ほとんど突然死に近い御状態での逝去であったご様子で、ご家族も驚いておられるとのこと…

宮益坂をのぼる

前回の日記で書いた本多さんの写真展を観て、思いだしたことでも書いてみようか。 東急東横線渋谷駅は、住んでいた私鉄駅から一番近い盛り場であり、遙か、小学三年生の社会見学の頃からのお付き合いだった。高架駅の改札口を出て、左に向かえば「東横百貨店…

プラネタリウムのドーム

巨大市場がはき出す空気を吸い込んで、魚臭が微かに漂う、雨上がりの築地市場駅から、若干戸惑いつつ地上出口を出る。朝日新聞社を後に銀座方面に向かう。歩き慣れた界隈なのだが、たった五年で結構店の出入りがある。昭和通を跨ぐ歩道橋のエスカレーターが…