2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夢想の書と遭遇

再び、高校時代の話。当日記で、何度も何度も名前を出している『夢の宇宙誌』を手にしてすぐ、同じ美術出版社から『迷宮としての世界』が出版された。1966年で、1900円。今なら一万円を超えるにちがいない高額な本だった。そのために、換金率も良いので、幾…

時とところのアラベスク(十四)  『ラブド・ワン』の頃から『突飛なるものの歴史』の中へ

定時制高校に入って、本と共に、中学生の頃から好きだった映画熱に火がついた。大切な収入源の筈の職場をさぼって、当時生活していた、溝の口周辺の映画館に入り浸る日が続いていた。日比谷、有楽町の封切館への出入りは、もう少し後になる。小学校時代から…

第十回文学フリマ 終了

前回は、途中退席のせいもあって惨憺たる有様であり、それに懲りて、今回は出品点数は変わらないものの持ち込み部数を大幅に減らしてしまいました。そんな時に限ってお客様が多く、朝一の大人買いのお客様もあって、数点が完売となりました。カルタと『逍遙…

Nさんの掌の中で遊ぶ

早稲田大学演劇博物館、ほぼ、二十年ぶりの再訪である。 第4回河鍋暁斎シンポジウム「河竹黙阿弥と河鍋暁斎」以来のことだ。 その頃まで、「鹿鳴館」暁斎筆(がす資料館蔵、現「河竹黙阿弥作『漂流奇譚西洋劇』パリス劇場表掛りの場)と仮称されていた西洋建…

第十回文学フリマ 2010年5月 23日(日)にまたもや出店します。

第十回文学フリマ 会場 大田区産業プラザPiO(京浜急行本線 京急蒲田駅 徒歩 3分、JR京浜東北線 蒲田駅 徒歩13分) 開場11:00〜終了16:00 サークル名 黒死館付属幻稚園 U-06 今回も、『黒死館逍遙』バックナンバー中心の品揃えです。最新刊は、第十号「ケル…

muiredachと検索すれば(再)…… T.W.Rollestonにあたる

前回、記事を書きながら画像検索をしていたら懐かしい画像に行き当たった。戦前の数少ないケルト研究本の一つ『愛蘭神話伝説集』 八住利雄で見かけた挿絵だった。開いてみたらKeltische Mythen en Legendenという本の口絵Koningin Maevであった。但し、英語…

ロマンの死 ロマンの誕生 綺想宮殺人事件

森江春策は、作者の陰謀で、ミステリそのものと対峙させられてしまった。ミステリのからくりを自明のものと思い込んで、ゆったりと探偵とともに物語の世界に、紡ぎ出される衒学の海に漂う読者も、犯人?の策謀に巻き込まれ最後には、まさかの世界まで連れ去…