2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

セガンティーニ『よこしまな母』

『空飛ぶツィプリアンの伝説』をみていて、主人公ヤセクを囲む人々のあまりにも過酷な前半生に打ちのめされる思いだったが、その頂点が、若いミハルとの別れで気づかされた、彼の母との甘いとは言えない逢瀬と引き裂かれた過去との出逢いではなかったか。子…

空飛ぶツィプリアンの伝説

字幕のない全く未知の言語でも、演出さえよければ話は通じる。そんなことを実感させる映画だった。十八世紀とは言え、東欧の田舎の暮らしの凄まじさと、荒っぽい生活。対する修道院という、並行して存在する異なる文化の世界。そこに投げ込まれた男の奇妙な…

また寄り道 ゴールの英雄 Asterix

ゴールの英雄といっても素天堂のことだから、蹴球のゴールキーパーのことでは無論ない。 vercin x caesar.jpg ユゴー『ノートルダム・ド・パリ』のあちこちを歩き回っていて、いつものことだが引っ掛かる言葉に出会った。全編を覆うゴシック讃歌は当然として…

薔薇と洋館と大手羽

夜中の雷鳴が嘘のようなすっきりした朝であった。K氏がセッティングしてくれていた「旧古河庭園」散策へでかけるのである。若干寝覚めが愚図ついたが、せっつかれて出発の準備をして立ちあがる。ポスターやTV番組で興味はあっても、素天堂の重い腰はなかなか…

失われた繋ぎ目 七転八倒の罅を埋める

未だ拡げてもいない風呂敷のあまりの大きさに身をすくませる毎日。ユゴーの『ノートルダム・ド・パリ』という大伽藍から、旧約聖書の記述へ飛び、更にさらに中世の大伽藍まで辿りつかなくてはならないのだが、如何せん基礎知識の欠如は、中途半端な追いかけ…

息抜き三昧

太陽 [DVD]出版社/メーカー: クロックワークス発売日: 2007/03/23メディア: DVD購入: 2人 クリック: 91回この商品を含むブログ (222件) を見る十二日は、渋谷ユーロスペースで映画を見て、美しい画面と凄い終末に度肝を抜かれことばもないまま池袋に移動、SR…

妄執の応酬 やっぱり、鷹は地中海に沈む

何だか、息抜きばかりしているようだが、半年ぶりくらいに楽しみで本を読んだ。冒頭、聖堂騎士団のなりをした強盗団が、メトロポリタン美術館のオープニング・パーティーに乱入して大暴れするところは、いささか溜飲が下がった感がしたが、その後の展開にイ…

熱の籠もった宣言が嬉しい

英国ゴシック文庫・市川純氏訳『アナコンダ』読了。エキゾチシズムと冒険という、キプリングに繋がるゴシックのもう一つの形の原型。商業的な観点とは違う、同人誌という区切りの中で登場した新しい風は南から吹いてきた。迷信的な原住民の、大蛇に対する恐…

世間では、連休の終わりだった日 文学フリマ14

素天堂としては一年ぶりの文学フリマ。作業の遅れで新刊もないままでしたが、開場して直ぐのお買いあげを皮切りに、終日お客様が絶えず、常連さんを始めとした大人買いも多く、今回は出展以来最高の売り上げとなりました。 また、今回は日本ジュール・ベルヌ…

文学フリマ14 参加します。

五月六日 東京流通センター TRC第二展示場 2F Fホール オ-51です。 文学フリマ14での 新刊の詳しいお知らせです。 申し訳ありませんが、『黒死館逍遙 別巻二』は今回に間に合いませんでした。 『小栗虫太郎関係資料集 DUKDUKダクダク』創刊号 A5 60p 頒価…

準備完了

9時には家を出ます。今日はお客様用にビニール袋用意してます。 どうか無理の無いように、おいで下さい。

第14回一箱古本市 2012.5.3(木)LIBRE TONSURE 出店目録

当日は「黒死館逍遥」「DUKDUK」のバックナンバーも持参します。 素天堂と絹山絹子が「茶色い本 黒い本」を前にしてお待ちしておりますので、よろしく。場所:千駄木の郷 千駄木5-19-2 11:00から16:00 雨天決行です。 5/3は全60箱。天候が怪しいのですが、ど…