2013-01-01から1年間の記事一覧

本日到着

見本より地味ですが、これが表紙の実物です。

コミケ85出展のお知らせ 12/29 東4ホール:ヤ12a 「黒死館附属幻稚園」

新刊は「虫太郎資料集ダクダク3号 特集錬金術」A5 116p 800円になります。 今回は『チバ時報』二冊分の復刻と、『科学画報』のエッセイ一篇によって、エジプト、ギリシャの起源から、シリア、アラビアを通して西洋中世へと渡り、ルネサンスによる衰退、さら…

『瀕死の白鳥』は殺されていた 「聖なる夜の上映会」Vol.7 チェロとピアノのミニコンサート付き

松島、仙台の旅行以来封印していた映画を久しぶりに解禁。本郷の「日本キリスト教団 本郷中央教会」まで出かけてきた。新教らしい質実ながら、美しい教会である。今回の作品は柳下美恵さんのピアノ伴奏のみならず、サンサーンスの曲からと言うことで、チェロ…

生まれて初めて尽くしの一ヶ月 I ああ!松島や之巻

十一月の文学フリマが終わって、いよいよ年末のコミック・マーケットに向けての作業が始まった。その前にと言うことで、生まれて初めて個人的に東北地方の土を踏んだ。 古本屋のない目的地など考えられない、名所も旧跡も興味ないが、これまでの素天堂の旅の…

第17回 文学フリマ 出展御礼と収穫

開始時には止んでいたけれど、早朝から雨が降ったりやんだりの一日。一般参加の方の出足が危ぶまれましたが、お客さんも一日を通して途切れない盛況でした。 いつものようにたくさんの方々にご来店頂き、お陰さまで帰りは軽い荷物で引き上げることができまし…

第17回 文学フリマ出展告知

今回も文学フリマに参加させてもらえることになりました。 11月4日東京流通センター11:00-17:00、サークル名『黒死館附属幻稚園」2Fオ26。です。 今回の文フリ初売りは、『黒死館殺人辞典的絵葉書集』400円になります。 収録画像リストは、 ガブリエル・マッ…

奇跡の再会?『アルプス建築 タウト全集第六巻』

ユーラシアの旅から、江東の場末に戻って日々若干地味な語彙探しと、ネット上での庭園造りhttp://www.playdom.com/games/gardensoftimeに夢中の日々だった。英語もできず、記憶力も衰えているのに何とも無謀な挑戦だったが、初期の「SIMCITYのようなもの」と…

江東の巷で、ユーラシア漫遊ウィーク ルーブルのオリエントを中心に

まずその口切りは、月初に見た、野蛮でもない狩りでもないという『スタフ王の野蛮な狩り』の勢いを借りた、シネマヴェーラでのロシア映画傑作選。パラジャーノフのカルパチアを舞台にした、反共産、後ずさりの強烈お祭り土俗映画、火の馬の一度も出てこない…

「海に行きたいわ。海には空を飛ぶ魚がいるんですって。きれいでしょうね」

苦労して手に入れたヴィデオで何度も見ているはずなのに、スクリーンでは四十年ぶり二度目の出逢いだった『シベールの日曜日』。美しい公園を背景に描かれた、単純に過去を失った男と名前を奪われた少女の純愛物語だと思い込もうとしながら、感じていたいく…

渋谷で、四谷で、無声映画三昧 ピアノ伴奏フルコース

ユーロスペース2で、K氏に誘われたロシア映画特集レフ・クレショフ傑作選『二人のブルディ』1929を、柳下美恵さんのピアノ伴奏付きでみてきました。 まったくなんの知識もなく、サーカスのピエロの話とだけ聞いていた。ストーリーはロシア革命のただ中に巻…

シュルレアリスムを遊ぶ 損保ジャパン東郷青児美術館 〈遊ぶ〉シュルレアリスム展

「不思議な出逢いが人生を変える」という意味深長な副題の通り、今回の展示では、まず、偶然という要素から、アンドレ・ブルトンを中心とした人の出逢いの集積としての「シュルレアリスム」が語られ、ついで、作者の意志に囚われない制作方法としての「シュ…

『黒死館殺人辞典的絵葉書集』 通販開始です。

お待たせいたしました。 収録画像リストは、 ガブリエル・マックス「腑分け図」 「シサムネス皮剥死刑之図」 ド・トリー作「一七二○年馬耳塞マルセーユの黒死病ペスト」 ベックリンの「スピルディング湖の水精」 「鬼の娘が水に」の絵巻『紀長谷雄草紙』 へ…

コミック・マーケット84汗だく御礼 通販予告

それにしても、殺人的という言葉が、比喩でもなんでもない酷暑のなか、ご訪問ありがとうございました。 暑さについてはデマさえ飛び交っておりましたが、まずまずの戦果を得てなんとか帰って参りました。 作ってはみたものの、買ってくれる人がいるかどうか…

家内制手工業

『黒死館逍遙』も既に、素天堂の能力ではネタ切れになり、後は何をするかということで、『黒死館』に関する「画像」を扱ってみようかと思った。画像自体は素天堂の絵画好きもあって、作業の合間を見ながら結構集まっていたのだが、上記の通りほとんど発表の…

【出展情報】夏コミ8/10土、西1ゆ22a 黒死館附属幻稚園。

今回の新商品は「黒死館殺人事件的絵葉書集」になりました。 ケース付きポストカード12枚セット&16p、詳細解説の冊子付きです!予価400円。 いままで印刷の関係で発表できなかった「階段廊」の三点「腑分け図」、「シサムネス皮剥死刑之図」、「「一七二○年…

森澄コン君ご紹介

レポートでちょっと書いた北山猛邦氏提唱の、「著作権フリー探偵」の全貌が明らかになった。→こちら。 当日書き込んだデータを、北山氏ご本人が整理して下さったものだ。謂わば、すれっからしのミステリ・マニアがこんなキャラクターが観たい、読みたいと日…

さて、MYSCON11である。

四年ぶりの開催ということで、満を持して早めに外出、恒例の入場前の本屋さん巡りを敢行する。前回以来何度かこのあたりを見ているが、悲しい様変わりに溜息をつくことしばしばだった東大前だが、鳳明館入り口の路次を過ぎて、新しいタイプのお店本六が開店…

徒手空拳と鉄壁の構え

公民館や映画館の繋ぎで上映される『ミッキー・マウス』や『トムとジェリー』の「短編漫画映画」でアニメーションの楽しさに触れ、年に一,二回公開されるディズニイの長編や、『白蛇伝』1958以降の東映動画の作品で育った素天堂だった。 残念ながら、当然身…

茶色の夢

どこかの研究室のような一室。 古い茶ばんでゴ××リの糞だらけの一括りの雑誌をグループで整理している。 明治期のものらしいが、誌名もジャンルも定かではない数十冊の資料だ。 埃と糞を払いながらチェックしているうちに、小さなコラム記事か、書籍広告のよ…

奥歯に絨毯が

探偵小説には、正負二通りの楽しみが存在すると思っている。一つは当然のことながら、正義の探偵の謎解きを堪能することであり、もう一つの楽しみは、異常な事件に対する猟奇的な関心を満足させることである。 前者に比重を置けば、本作「ダゴベルト」シリー…

祝 再版 !

探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)作者: バルドゥイン・グロラー,垂野創一郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/04/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見る積ん読バレバレなのだが、先日光文社文庫版『クイーンの定員』で、グローラーの…

訂正

前文に書かれた図書館名を訂正した。「アンブロジオ」では『破戒僧』の主人公ではないか。赤面と共に自戒をこめて。

『黒死館』語彙もあった 「レオナルド・ダ・ヴィンチ展−天才の肖像」

画面の上の奇妙な瑕瑾に引きずられて、思わず長い話になってしまったが、もちろん展観はそればかりではなかった。今回は出展もとがミラノの「アンブロジアナ図書館」という特殊な施設だったので、普段の美術展ではお目にかかれない展示物も多数出品されてい…

なんとサライに逢えるとは 印象「レオナルド・ダ・ヴィンチ展−天才の肖像」

今年の初め、篠田真由美さんの『ホテル・メランコリア』で登場する一人物をレオナルドに生涯連れ添った「性悪の美少年」ジャコモ=サライに例えたものだった。 ロシア世紀末の作家メレジュコフスキーの伝記小説『神々の復活』に登場し、塚本邦雄の『獅子流離…

一角獣の戸惑い、または大きな美術品の驚き

こんな弱小blogには珍しく、リンクが三十件となっている。それが『貴婦人と一角獣展」の感想だと言う事。自分も感じているのでわかるのだが、きっと観にいった人たちの大多数が会場を出るときに持って出るのは、大きな戸惑いと違和感なのだろう。 縁もゆかり…

中世世界に浸る「貴婦人と一角獣」展

「シュルレアリスム展」以来、二度目の「国立新美術館」へ。今回は打って変わって、フランスはパリ中世美術館の至宝タペストリ「貴婦人と一角獣」に逢いに来た。 会場入室してすぐにその驚異は観客に覆い被さってくる。大きな楕円形の壁全面に広げられた全長…

勉強嫌いは今でも

薔薇十字社とその軌跡 (出版人に聞く)作者: 内藤三津子出版社/メーカー: 論創社発売日: 2013/03メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (6件) を見る物心ついて以来、好きな本だけ読んで、好きなものだけ見てきた。最低限の生活に伴う社会行動…

パ、パロヒアル寺院だ

最近の浮き世離れした作業の間、嵌まっているのが、youtubeでの動画ザッピングなのだが、その中でなんとむかし、必死で探したことのある黒死館画像にぶつかった。 その動画はなんとナチズムに潜むオカルト思想を解剖した作品だった。“Nazis - The Occult Con…

謎の『西洋美術史』再説

弥生美術館から一週間もたってしまった。その間何もないどころか、いろいろありすぎて何を書いていいか分からなかったといっていい。連休半ばには町田市立国際版画美術館「空想の建築 −ピラネージから野又穫へ−展」へ出かけ、美術館脇のドイツ・オーストリア…

大正の小さな夢から 弥生美術館

前日の千駄木に続いて、今日も千代田線根津で下車。一軒新しい本屋さんを覗いてから、目的の美術館へ静かな住宅地を通り抜ける。いつもは上から降りる感じなので、若干不安だったけれども表通りへ出てみるとちょうど夢二美術館の看板に当たる。弥生美術館で…