2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

茶色の夢

どこかの研究室のような一室。 古い茶ばんでゴ××リの糞だらけの一括りの雑誌をグループで整理している。 明治期のものらしいが、誌名もジャンルも定かではない数十冊の資料だ。 埃と糞を払いながらチェックしているうちに、小さなコラム記事か、書籍広告のよ…

奥歯に絨毯が

探偵小説には、正負二通りの楽しみが存在すると思っている。一つは当然のことながら、正義の探偵の謎解きを堪能することであり、もう一つの楽しみは、異常な事件に対する猟奇的な関心を満足させることである。 前者に比重を置けば、本作「ダゴベルト」シリー…

祝 再版 !

探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)作者: バルドゥイン・グロラー,垂野創一郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/04/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見る積ん読バレバレなのだが、先日光文社文庫版『クイーンの定員』で、グローラーの…

訂正

前文に書かれた図書館名を訂正した。「アンブロジオ」では『破戒僧』の主人公ではないか。赤面と共に自戒をこめて。

『黒死館』語彙もあった 「レオナルド・ダ・ヴィンチ展−天才の肖像」

画面の上の奇妙な瑕瑾に引きずられて、思わず長い話になってしまったが、もちろん展観はそればかりではなかった。今回は出展もとがミラノの「アンブロジアナ図書館」という特殊な施設だったので、普段の美術展ではお目にかかれない展示物も多数出品されてい…

なんとサライに逢えるとは 印象「レオナルド・ダ・ヴィンチ展−天才の肖像」

今年の初め、篠田真由美さんの『ホテル・メランコリア』で登場する一人物をレオナルドに生涯連れ添った「性悪の美少年」ジャコモ=サライに例えたものだった。 ロシア世紀末の作家メレジュコフスキーの伝記小説『神々の復活』に登場し、塚本邦雄の『獅子流離…