国書刊行会さんありがとう。『異形建築巡礼』発刊す!

四十年前、偶然出会った最初の驚きは栄螺堂だったろうか、それとも乞食城だったろうか。
以前にもこんな事を書いていた。
http://d.hatena.ne.jp/sutendo/20050805#p1
http://d.hatena.ne.jp/sutendo/20081227#p1
その外連味溢れる文体と、繰り出される建築という存在を大きく逸脱した存在の数々。黒死館という不可能建築の邸外に、やっと佇んだばかりの部外者にとって、眩暈さえ感じさせる連載だった。
とはいえ遅れてきたものの悲しさ、結局その連載の全てに目を通すことは出来なかったし、その僅かなバックナンバーさえ今は手元に無い。

それが今一冊の大きな書冊『異形建築巡礼』となって手の中にある。もしかすると記憶の中の美化かも知れないが、初出時はもう少し図版が多かったような気もするが、それもこうやって精細を極めた脚注によって、当時の情報を修正してくれていることで、その価値を高めてくれているのだから、ひとまずはよしとしよう。