5/7文フリ東京 初売情報 黒死館附属幻稚園 TRC カ59

幻想哲学小説「創造者」B6 132p 900円

今回の紹介作は、独の哲学者にしてアヴァンギャルド文学先駆者ミュノーナの作品です。
夢の中で出会った引き籠もりの中年男性と美少女が、現実の世界で偶然出会う。まるで天の配剤かのように見えたが、実は最初から彼女の叔父の企んだ実験の始まりであった。
なんだかワクワクするようなロマンチックな出だしなんですが、この奇妙な叔父さんとんだ食わせ物で、ひかれ合う二人を使って人間存在の最奥を極めるという、自分の哲学の実現を目指すのです。
最初は反発していた姪っ子も叔父と中年男の奇妙な神秘哲学談義に引き込まれ、ファウスト気取りの叔父さんが、建物ごと建造した最新技術を駆使した立体映像装置で、人間を至高の存在とする実験に協力することになるが……。

ここから先の驚異の展開は、是非お買い求め頂いたうえ、叔父さんの独りよがりの哲学談義をかいくぐって皆様の目でお確かめ頂きたいと思います。何故中年男が引き籠もりだったかの謎も最後に告白されます。
この奇想溢れる作品全編をアルフレッド・クービンが飾っております。
どうか皆さんお楽しみに。

国書刊行会さんありがとう。『異形建築巡礼』発刊す!

四十年前、偶然出会った最初の驚きは栄螺堂だったろうか、それとも乞食城だったろうか。
以前にもこんな事を書いていた。
http://d.hatena.ne.jp/sutendo/20050805#p1
http://d.hatena.ne.jp/sutendo/20081227#p1
その外連味溢れる文体と、繰り出される建築という存在を大きく逸脱した存在の数々。黒死館という不可能建築の邸外に、やっと佇んだばかりの部外者にとって、眩暈さえ感じさせる連載だった。
とはいえ遅れてきたものの悲しさ、結局その連載の全てに目を通すことは出来なかったし、その僅かなバックナンバーさえ今は手元に無い。

それが今一冊の大きな書冊『異形建築巡礼』となって手の中にある。もしかすると記憶の中の美化かも知れないが、初出時はもう少し図版が多かったような気もするが、それもこうやって精細を極めた脚注によって、当時の情報を修正してくれていることで、その価値を高めてくれているのだから、ひとまずはよしとしよう。

ハルトマン『生者の埋葬』通販開始致しました。


第二十三回文学フリマ東京で、ご好評頂きました『生者の埋葬』通販開始致します。黒死館古代時計室からお申し込み下さい。

黒死館殺人事件』に「生体埋葬」として登場する、フランツ・ハルトマンの早期埋葬をオカルト科学の見地からみた実例研究書。乱歩や小酒井不木にも影響を与えた基本文献です、Buried Alive, 1895 絹山絹子訳。本邦初訳。108に及ぶ早すぎた埋葬の実例は一種の滑稽な幽霊譚のようにも見えます。
併録した小酒井不木「死者の蘇生」は本邦における実例を補完した好エッセイです。

文学フリマ23 ご訪問御礼

本日は肌寒い中、多数のご訪問ありがとうございました。
心配していた新刊「生者の埋葬」も、お陰様で特殊な内容に拘わらず、思った以上の売り上げを記録することが出来ました。
この上はお礼と共に、お買い上げ下さった皆様の、熟読後の安らかなおやすみを、心よりお祈り申し上げることと致します。

11/23文フリ初売情報 黒死館附属幻稚園 TRC Fホール カ-19

フランツ・ハルトマン『生者の埋葬』完訳本。A5 116p 900円。

黒死館に「生体埋葬」として登場する早期埋葬を、オカルト科学の観点からみた実例集。付録につけました小酒井不木「死者の蘇生」は日本古典の実例を含む、ハルトマンの内容を補完する好エッセイです。
「戦前科学画報傑作選別巻1」本シリーズ3冊に未収録だった、とんでも作品を収録。コピー誌です。青柳将「冷凍埋葬会社」、木津登良「灰色にぼかされた結婚」再版分28p200円造りました。
 
昨年の冬コミのみの販売でしたので文フリでは初売りです。30部くらいなので会場のみの販売になると思われます。
また、既刊のうちダクダク2号錬金術、ウェルズ「星の児」は残部僅少となりました。お早めにお求め下さい。