2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

立ち話の素敵な人

コミケに参加していつも思うのは、キチンとした世界を持っている人の立ち話は楽しい、ということだ。 前日までに準備を終わらせ、くつろいだ気分で望んだ〈コミケ73〉だったが、ジャンルを変えてみたのが大正解だった。右隣が探偵小説研究会の『CRITI…

昔、初山滋が……

最初に『不思議の国のアリス』とその著者の〈ルイス・キャロル〉に興味を持ち始めたのは、雑誌『現代詩手帖』での種村季弘の『ナンセンス詩人の肖像』連載中の「どもりの少女誘拐者」でした。勿論それ以前から、古い絵本などに興味はあったけれども、具体的…

今回のサービス

いつもお付けしているポスト・カードですが、内容に関連したミュシャの作品が見つかりました。縦長のポスターなので今回に限り、会場配布限定のミニポスターを製作いたしました。サイズはA4半切、A5半切の二種類。ご希望の方は数に限りがありますので、…

三十日東2 V−03b

冬コミ用新刊、出来てきました。目もあやな朱赤は今回のテーマにふさわしいと思っているのですが。今回の内容は期せずして、黒死館美女列伝になってしまいました。 黒死館逍遙 第六巻 黒死館妖あやしの花舞台/前説 一、機巧からくり人形・操人形/影の女王〈…

中井英夫「黒い水脈」と塔晶夫「日本の異色作家」

『虚無への供物』との出会いはご多分にもれず、一九六九年の三一書房版である。もっとも、読了後、興奮して話していたら、兄が初版の読者で、自分もそれを読んだという同級生がいたから、決して、著者自身が言うような、黙殺された存在ではなかったのではな…

とっても食えない〈蜜の味〉『奇術師の密室』

「マーリニ」も「フーディニ」も、奇術大好き人間の素天堂にとって、この標題は読んでください。と言われているようなものだ。冬コミの大山を越えたところで、いわばご褒美で読み始めた。一瞬で読み終わった(ような気がする)。 一流奇術師の前歴がある、眼…

今やっと、『第三の演出者』。

最終巻。まず収録されたエッセイの〈乱歩への真情〉という、まるでフーガのようなテーマのリフレインの心地よさに身をゆだねる。劇評家という、まったく商業作家ではない戸板康二という存在を、ミステリの世界に誘った乱歩の業績は小さなものではない、その…

〈手〉のいいコイコイじゃあるまいし 〈由比ヶ浜の澁澤さんを真似したわけではないが〉

やっと五校でOKが出たのが送稿日の前日、夕方だった。章によっては四校ですんだが、四光、五光と、これがコイコイなら一財産だったかも知れない。自分のお気に入りのジャンルだったから、キーボードは滑るし、論旨はジャンプを繰り返す。するとしっかり釘…