2009-01-01から1年間の記事一覧

うってかわって

毎年冬コミは勤務の都合で準備が慌ただしかったが、ことしは二十九日が休みで、準備に時間を取ることが出来た。K氏のカルタも試作してみて結構可愛くできているので、安心しました。例によってあれこれ素天堂のミスもありましたが、入稿の時とは違って、足を…

京のゆめ 葭刈のゆめ

『黒死館逍遙 第十号』記念として、絹山絹子さんが「黒死館骨牌」を作ってくれました。最初にできた詠み札は「狂気双六×××いすごろく 駒が次々 死んでゆく」でした。場面場面がたっている『黒死館』だから出来たのかもしれませんが、一枚として無駄な札があ…

ニューヨークに松濤が?

前回の追加項目、目次紹介のヴァン・ダインの章題で、焦って書いたと言うより、単なるケアレスミスなのだが、初頭とすべきところ、打ち込みで、Uを入れたために、松濤となってしまっていた。港白金、大田山王と並ぶ、渋谷区の邸宅地帯だけど、ニューヨークに…

と書いたところで内容紹介と金額をお知らせしていなかった。

前説 / 一、ポオの一族 探偵小説と建築の関係 二、ヴァン・ダインのニューヨーク 二〇世紀初頭の富豪邸宅 / 三、砂の城とトランプの家 これが虫太郎の建てた家 四、華麗に乙姫は舞う 洋風建築の流入と十九世紀欧州建築事情 / 五、おきて みる ゆめ ケルト・…

南山の果て、極北に至る

冬コミ用新刊『黒死館逍遙第十号 ケルト・ルネサンス考』印刷所から届きました。恐る恐るページを繰って内容のチェックをはじめた途端、K氏から悲鳴が上がりました。入稿当日のゴタゴタのせいでK氏の担当した付録部分に乱丁が発生していたのです。といっても…

見事な廃墟 時とところのアラベスク(十二)

町歩きが続くと、あちこちで居住者のいない建物に出くわす。大概は門扉の閉鎖ぐらいで荒れ果てるという状態ではない。例えば遺産相続のトラブルとかで遺族が触れない場合でも、物納され管轄自治体の手で公園になったりすることが多いので、一般の住宅の廃墟…

幻の山王

山王地区は、二度目の巡回。土地勘もでき、地形を見て、高い方を起点に、徐々に駅に向かうフォーメーションをとる。最初はとにかく歩くことに慣れるのが精一杯だったが、最近やっと心に余裕ができてきた。プライヴァシーすれすれのインタビューなので、一旦…

Old Jellyfish has No Bones

雀は百まで踊りを忘れないそうだが、水母は六十を過ぎても骨がない。 数十年前に書いた駄文を後生大事に抱えていた。今になってみれば、そんなものは寄せ集めた資料の抜き書きにすぎない。K氏にそれを指摘されても、為すすべもなく、呆然とする素に、叱責の…

青ざめた◎をみよ

最終稿のつもりで提出した、冒頭の章の論旨に、整合性がないと言うことで、K氏が青い顔をして帰宅した。知識はあっても論理など欠片もない、素天堂であるが、デッド・エンドの前日に、それは困る。前回は、資料編と言うことで、何となく入稿が出来たが、今回…

月曜日のランチは歓迎

修羅場の真っ盛りながら、朝からJR蒲田へ向かう。第9回文学フリマへの出動。出がけにK氏が、何と同会場で、日本ジュール・ヴェルヌ研究会の主催による、奥泉光氏講演の開催を発見した。当日申込と言うことで、駄目もとで会場での受付を待つことにした。 …

おおおかやまをあるく

昨日は北千束一丁目が、作業地点。地下に潜った大岡山駅を降りるのは、はじめてだった。最後に降りた時は工事が始まったばかりだったから、何年振りなのか。思い出せないくらい昔になってしまった。 反対側のホームに入った電車が、急行溝の口行きだというア…

永遠の闘い

ほぼ終日歩く単純作業と、一軒一軒、個性も暮らし向きも違う方たちと対面を続ける作業が続いている。それにも馴れてきて、膝も悲鳴を挙げなくなった。例によって暮に向かっての作業も少しずつ形になって、ホッとしていたら、古い友人から、書籍が届いた。 本…

愚行二件 時とところのアラベスク(十二)

帯が欲しくて、久しぶりにコミックスの新刊、二冊。 「墓に咲くバラ」を、初出で読んで以来のファンなのだ。その出来栄えに興奮して、無理矢理読ませた甥っこも、もう三人の子持ちだ。最初につぶれ大福君が登場する「美少年殺し」は、単発のノン・シリーズだ…

少しづつ見えてくる

新しい仕事の街歩きにも慣れて、体重の大幅減という副産物まであった。ありがたいことに、期間も延長で来年早々まで仕事探しはなくてすみそうだ。 ゼロ・スタートになった『黒死館逍遙 第十号』だが、いわば、プロローグが見えて、やっと目途がついた。なま…

窖の音楽会 時とところのアラベスク(十一)

ミステリー文学資料館で行われた、平山雄一氏による「小栗虫太郎 講演会」に出席してきた。 少し早めに到着して併催の展示陳列をチェック、書棚を拝見して、寄贈本が並んでいるのを見て、若干感動する。愛読者のお一人、Iさんが到着してご挨拶を頂いた。数…

柔らかな日差しを浴びて

小春日和の中を、日々歩く日が続く。どうやら悲鳴を上げていた膝も酷使に慣れてきたようだ。コミックマーケット事務局からの青い封筒が届いた。 30日水曜日西ぬ-04b、久しぶりにプヒプヒさんとお隣である。 余裕のつもりで新刊の準備は始めていたが今回も…

万聖節前のお祭り騒ぎ

町という町が、黄色いカボチャで埋まっていた。 素が、最初にその言葉に接したのはご多分に漏れず、内田善美だった。小品『万聖節に黄金の雨が降る』は少女と、妖精、病に冒された青年を巡る小さな物語。哀しい秋の話だった。田舎町ゲイルズバーグで起きた小…

ケルト十字と小型バスの日 勿論紀田さんの講演がメインである

まず、最初の躓きは中華街に早く着きすぎたこと。素が目標にしていた店の営業時間が変わって十一時開店に変わっていた。さらに、喫煙の出来るスペースが無く結局公園まで歩いたこと。戻ってみたら目標の店の値段が、K氏の設定より若干高かったこと。まあ、そ…

某日 時とところのアラベスク(十)

二ヶ月あまりの長い休暇と、一生分の大旅行を終え、城南地区、絨毯爆撃作戦の一兵として日々歩き続けている。 朝、リストを貰わないとその日の周回地区がわからないという、なかなかスリリングな状況なのだが、それはそれで面白い日々なのである。城南地区と…

東海血風録 時とところのアラベスク(九)

無理矢理入った風呂が利いて、寝起きも爽快。東海訪問最終日。ちょっと古本屋でも覗いてのんびり新幹線待ちの間、古い知人に連絡して旧交でも温めようと思ったのだが。 K氏期待の小倉トーストを含む、朝のパン・バイキングを終わり、部屋に戻り、K氏の出力し…

明治村踏破行 時とところのアラベスク(八)

朝六時起床。早めの朝食もそこそこに犬山遊園駅へ。各駅停車で一駅、昨日の犬山へ戻る。駅前で缶コーヒーなど飲みながら明治村行きのバスを待つ。予定では五時過ぎの、名古屋行きバスに乗る手筈だから、ゆっくり出来ますということであった。開村九時半、秋…

さて何処へ 時とところのアラベスク(七)

明け方吹き荒れた台風だったが、早くに北へ消えていって、静穏な朝になった。ゆっくり目の朝飯を頼んだので、本日の予定である「明治村」を検索すると、既に休園が決まっているらしい。K氏はがっかりしている。取りあえず折角犬山にいるのだから犬山を見てみ…

真っ只中

只今午前5時。夜半から4時ごろまで収まっていた風雨がまた、活発に動き出した。ここら辺もやっぱり東海地方の仲間だと安心する。先ほど済ませた民宿の食事中、床の間に、穴のあいたオブジェのような木の幹のスライス片がある。K氏が、興味を持って覗きに行っ…

おまけ 超貴重東京駅ドーム工事中を上から見る

嵐を呼ぶ小旅行

退職後の長い夏休みも終わって、二日続きの超ハードな講習も終わって、やっと作業に入って正味三日。終日歩き通しなのだが、歩くのは好きなので苦痛ではない。いろいろな方とお話しできる作業なので、それも悪くない。唯やっぱり、身体は正直だ。夜は足がむ…

夢の一日講義三昧 時とところのアラベスク(六)

すっかり、この通題が気に入ってしまったようだ。しばらく続けよう。十月三日、午前中は古いデジカメ画像の整理。作業の合間に撮り続けた丸の内の建物 ETC.だ。先日見かけた「千代田ビル」の現況の哀しさを、自分の画像から思い起こそうと思って。 前日、新…

「誤謬の博物館」 公式図録? 『ガストン・ド・ラトゥール』

この本は、持っていたことはあるけれど、読んでいない本なのである。なのに、勢いで面白いといってしまった。まあ、滅法退屈な『享楽主義者メアリアス』よりはいいだろうぐらいなつもりだったが、もしやっぱり詰まらなかったらどうしようというわけで、この…

塔三彩 時とところのアラベスク(五)

「河鍋暁齋展」1994以来の、「江戸東京博物館」、「よみがえる浮世絵−うるわしき大正新版画」展。展示品や催事特別展の善し悪しはともかく、意味のない地上通路の空白と威圧的なデザイン、がこの展示場を必要以上に敬遠させる要因だろう。今回も、車内の広告…

古本神降臨

ギャーッ! 数年振りの南部遊古会初日午前中。一階駐車スペースで、狂喜の血風が吹き荒れた。 普段お目にかかれないような本がゴッソリと居並ぶ棚。手に取る本が次々に手に貼りつく。何よりうれしかったのは、永らく幻だった『マンク』の初訳本『ロザリオ』…

時とところのアラベスク(四)

物心の付き始めは、宇宙少年だった。スプートニクの光跡を夕刻の空に追い、宇宙を飛ぶライカ犬の動向に一喜一憂する小学生であった。ガガーリンの「地球は青かった」やテレシコワの「ヤー チャイカ私はカモメ」に感動していた。彼らを大気圏の外という途轍も…