翔んでる女の子? ミャアちゃん スクラップ学園 天真爛漫編 (秋田トップコミックス)


所用で外出したJR大宮駅のキヨスクで見かけて、思わず発作的に買ってしまった一冊。最後まで購読していた「ヤング・ユー」も買わなくなって(買っても二ヶ月そのままだったりしたので)、今ほぼ現役で購入しているのは単行本の「パタリロ」だけ、になってしまっているのだが、その背表紙の「スクラップ学園 天真爛漫編 吾妻ひでお」という文字列に、一挙に漫画漬けだった二十数年前に引き戻されてしまった。暑い夏の早朝、奇妙な人の大群に混じって入場を待った晴海での日々が舞い戻ってきたようだった。「ふたりと5人」にはじまって「やけくそ天使」を経てここまできた、当時の「美少女ロリブーム」の奇妙な熱気が、久しぶりにページを開くとわき上がってくるんだ。キャプションを引用しようと思うのだけれど、そんなことさえナンセンスなこの作品は、やっぱり、吾妻ひでおの一番いいところが出ているものなのだろう。多分「ななこ」も「阿素湖素子」も、これから買わないかもしれないけれど、この“不明朗”で“不条理”なこの作品を見かけたら買ってしまうかもしれない。翔んでるどころか、グデグデとぐうたらで、おんぶされるのが好きな、ルーズソックスが日本で一番似合う「猫山美亜」がでてくるんだから。