西荻初体験 『ガラス玉演戯』から『ファンタシウム層発掘ノートSPECIAL ISSUE』まで

2008年の一月二十日は、特別な日になった。
修羅場で苦悶するK氏を連れだし、夜の会合の前哨戦として、彼女のいった古書店巡りを敢行した。そこでの収穫は、近年にない質の高いもので、冊数はともかくあったらうれしい本をたくさん手にして、幸せな午後を過ごした。時間になったので、会場になるスタジオを探すべく南口に向かった。告知にあった簡単な地図をなめていて、場所がわからず思わず怒りを発射しそうになったら、前方にチェーンの新古本屋が見えて思わず機嫌を直した。その瞬間、K氏がその手前のレンタカー屋の片隅に表示を見付けた。ホッとして時間前のひとときをその新古本屋で過ごし、会場に入った。
勿論、あの本が出来上がっていれば、もっと特別な日になったろうが、2007-12-25 - プヒプヒ日記で読んで、今回参加させて頂いた「第19回西荻ブックマーク ザ・メイキング・オヴ・『足穂拾遺物語』 」は、講師の皆様、特に司会を務められた木村カナさんのご努力で大変楽しいものになった。一家言と、偏屈の固まりみたいな講師の方の操り方は見事でしたよ。内容については、来なかった人には悪いけど、冷たい白熱の飛び交う、オフレコネタ満載の充実した会になりました。それ以上に、プロの仕事を直接垣間見せて頂ける、素敵なシムポジウムでありました。それにしても毎度のことでありますが、高橋信行さんの資料収集の熱意には頭が下がります。開演前にわざわざ、素天堂向けに貴重な資料を持ってきてくださったリキさん、ありがとうございました。
思いっきり濃い本編を終わって、二次会へ河岸が変わってからも、金光氏、両高橋氏に囲まれ、存分に楽しんできました。それにしても、高橋信行さんが、席に着いた途端コピーを整理して、スティック乗り*で製本を始めたのには驚きました。それが表記の『ファンタシウム層発掘ノートSPECIAL ISSUE』なのだけれど、自分も自家製本もどきが趣味だし、なぜ自分の廻りには手内職作業が好きな人ばかりが集まるのだろうか、と考え込んだ晩でもありました。