まだ買っている

六畳の壁半分を占める棚に二重に並ぶ、VHSのセル・ヴィデオと録画テープ、もっと悲惨なのは、スペース削減を理由に使い始めた8ミリヴィデオの山。既に8ミリヴィデオの機器は四、五年前に生産中止。DVDやPCへの移行も考慮したが、動画データの巨大さには、処理速度とHDDの容量が追いつかなかった。昨年、PCで動画処理専用機をK氏の協力で導入して作業の効率化を図った。最新機能のお陰で作業自体は順調だったが、今度は、VHS機が次々に壊れた。インサート機能部が劣化して、テープの出し入れができなくなってしまう。どちらも、何とか動いている8ミリヴィデオとの合体機なので、捨てるわけには行かない。
このところ、ネットTVがお気に入りだが、そこに登場する番組のラインアップを見ると、その行為自体がナンセンスに思えるのだが、やむを得ず、単体機の新規購入を相談して、快諾を得たものの、何とVHS専用機自体、本家の日本ビクターまでが撤退してしまっていた。K氏が色々探してみてくれたが、結局現行機は、DXの一機種のみだった。ネット上でもなかなか中古品の出物はなく、二十九日の休日を利用して、秋葉原を探してみた。下調べが十分でなかったとはいえ、古い記憶で、AVの専門店くらいあるはずだと思って、出かけたが、あたりをつけた店自体が、みんな、PC店に変わってしまっていた。
やむを得ず、閉店セール中の大型店を覗いたら、現物があった。通販の方がやすいというK氏の助言も何のその、その現物を即買いして、買って帰った。
確かに、こんなオヤジまでが、PCで動画処理する時代だから、ヴィデオ同士のダビング自体が、過去のものとなってしまったのかもしれない。それにしても、じゃあ、このテープの山はどうしてくれる。このまま見ることも出来ないまま、ケースごとただのゴミと化すのか。CDが、レコード・ディスクを駆逐したのはたった十年前だが、とうとう、映像までがテープから離れていってしまう。などと言いつつ、先日の高円寺歩き、エスター・ウィリアムスの『水着の女王』、見かけたので、また買ってしまった。