例えば蛙の足の食べ方とか……

『ボマルツォ公の回想』がいつの間にか、ゴキちゃんの潰し方になったり、あずまひでおといしかわじゅんの足の問題とか、『ポーの一族』は、連載中、いかに人気がなかったかとか。言うに事欠いてムヒカ・ライネスの豪華な〈手すさびのネタ〉の話とか、人生に役立つ実用的な話題ばかりの三時間であった。そうそう、毛綱紋太氏の話もどこかで出ていたような気がする。お勘定を清算にきたおネエさんの顔を見て、えらく店終いが早いと思ったらもう、二十三時に近かった。面子さえ揃えば、人間こんなにもまじめな話が出来るという全く希有な経験であった。雨もよいであったが、幸い濡れもせずにご機嫌よく帰宅することができた。
それにしても、あんな大きい新刊書店を覗いたのは大分久し振りの筈だったのに、何にも買える本がなかったのはちょっと寂しかったな。
ところで徳川夢声なら〈ナヤマシ会〉だし、百間なら〈マアダ会〉だとしても、〈仮称Y会〉は、如何なものであろうか。どうか企画担当の方にはご再考を促したいものである。