コミケ83出展のお知らせ 12月29日(土曜日)東オ03b 黒死館附属幻稚園

今回のコミケ新刊メインの出品は『ダクダク二号』と『黒死館逍遙 CD総集編』となりました。

『総集編』は名前のとおり、『黒死館逍遙』全巻をカラー化、若干の本文修正を行ってモニターでの閲覧をしやすく再編集致しました。定価は三千円ですが、既刊分をお持ちの方には二千五百円に割引させて頂いております。お買い求めの際に、自己申告で「既刊もってます」と売り子にお伝え下さい。
二号目となった『ダクダク』ですが、予告では伊東忠太の予定でしたが、準備不足もあり、編集長から却下を申し渡されました。
そこで今回は絹山絹子所蔵の『科学画報』戦前版から、「幻稚園」総力編集の「探偵の科学特集」となりました。
 A5 124P 800円
内容の一端をお見せしますとまず目を引くのが、昭和五年四月号に掲載された、そうそうたるメンバーによる「探偵及犯罪の科学座談会」です。 当時の科学捜査の最先端、警視庁技師 金澤重威を筆頭に、法医学の権威 高田義一郎、探偵作家の甲賀三郎、大下宇陀兒、アマチュア・マジシャンで名随筆家阿部徳蔵の面々が昭和初期の犯罪を語る圧巻の構成となっております。
他の記事も昭和初期の『科学画報』誌から、当時の犯罪科学の水準を窺わせる、選りすぐりの探偵科学エッセイを集めました。他の記事もタイトルだけを以下に挙げておきます。

      • 「指紋の謎」 小酒井不木
      • 「性的犯罪と変態性欲」 田中香涯
      • 「探偵犬の話」荻原澤治
      • 「自他殺の鑑別」小南又一郎
      • 「内分泌の変調と犯罪」 作者不明
      • 「人の異同識別」 高田義一郎
      • 「発射弾鑑定術のロマンス」 寮佐吉
      • 「秘密室の怪」本島弘
      • 「電気死刑術」佐野昌一(海野十三
      • 「金庫破りと金庫製造者最も知能的科学犯罪の一つ」喜多槐三
      • 「科学小説 躍る指紋」 河邊 天馬
      • 「最近の奇怪な迷宮の殺人犯罪事件」 高田義一郎
      • 「推理の趣味 汽車─野球─神霊詐術─モッブ」甲賀三郎
      • 「虫太郎デビューと科学熱」素天堂

不木晩年の大まじめな指紋分類の話から、甲賀の心霊術批判まで、虫太郎の先輩たちによる、豪華な品揃えとなりました。
勿論、文中に登場する事件や、人名等も可能な限り調査して、簡便な補注をつけております。素天堂も少し書いてます。
圧巻の二段組120ページ超のボリュームを会場でお確かめ下さい。