2008-01-14から1日間の記事一覧

愛すべき惡魔と死 芬蘭の畫家ジムベルグ 加藤朝鳥

茲に掲げた二つの繪、即ち『死の庭園』と『双兒を抱いた哀れな惡魔』とは表象畫派の作品として誰しも面白く感ずるものであらうと信ずる。 シムベルグHugo Simbergの死んだのは千九百十七年であるから、フインランドが新興國として歐州大戰に依って獨立した時…

落ち穂拾いからダイヤ こんなやさしい〈死〉や〈悪魔〉があったろうか

最近手に入った昭和初期の雑誌、『中央美術』合本を手にとり、いつものように眺めていて、こんなエッセイに巡り会った。紹介者加藤朝鳥は、海外探偵小説の初期の紹介者でもあり、西洋思潮の理解者でもあったからご存じの方もあろう。素天堂としては『レオナ…