そこで買ったもの 「迷路」モーリス・サンド 訳/発行エディション・プヒプヒ

物語のコネスール、プヒプヒさんの(多分)自分が読みたいから訳した(であろう)シリーズ、ビブリオテカ・プヒプヒ。第1弾の抱腹絶倒ながら、なぜかちょっとこわいジュゼッペ少年の樟脳くさい生い立ちの記、レオ・ペルッツ「アンチクリストの誕生」に続く、今回は「迷路」。作家はスイスの作家モーリス・サンドだというのだが「だれ?それ」が正直な感想であった。いろいろ出来すぎているので、プヒプヒ氏の自作の文学的韜晦かとおもったくらい。もちろんネットでその存在とダリとの関係は確認しました。
百六十年続く「男系家族」! 「妙齢の女性」はよせ付けない館、それはなぜか? 夜中に響く奇妙な物音、それはなにか? 「いいご主人なのに」と涙ぐむ館の異様な使用人たち。なにものかに怯える選ばれた領主。いいないいな、面白いな、これこそ知られざるゴシック・ロマンか。で、到達する驚天動地の結末。すげぇなぁこんな話、選ぶほうもすごいけど、やっぱり本気で書いてる作家はもっとすごい。アメリカなら、ヴィデオはあるようだが、プヒプヒさん、素天堂もこの映画見なくていいです。きっと例の「インスマウスの影」の映画化以上にすごいような気がするので。