無理矢理、黒死館がらみか

パンプルムース氏対ハッカー マイケル・ボンド 木村博江訳 創元推理文庫  ISBN:4488215076
遅ればせながら、好調ユーモア・ミステリ・シリーズ、パンプルムース氏とポムフリットコンビの6冊目。珍しくハイテクがテーマであるが、やっぱりパ氏はパ氏。魅力的なシステム・エンジニアとの触合いもあり、パ氏の何故か留守を続けるマダム・グラント宅での忍従の日々は大笑いを誘う。さらに導入部でのハッカーの嫌がらせ(噴水にピラニアとか)も大変結構でした。第1作結末での、狂的な哄笑が今でも思い出されるが、まあ、それを常時求めるのは無理というもの。
結構シビアな犯人像が悲しいが、そこで意外な発見が! なんと、「黒死館殺人事件」の語彙が、パンプルムース氏に登場するのである。素天堂はある勘違いからこの語彙を行方不明としていたのだが、チャンとフランスはブザンソン近郊にその語彙は存在していることを、ありがたいことに、パンプルムース氏にご教示願ったわけである。ありがたや。パンプルムース。