サブルーズ谷を求めて 前回の続き

現居に移って以来の、大整理敢行中。書棚がまたもや崩れたり、本のために余りにも悪すぎる環境を修正すべく、K君の叱咤と先導を借りて、移動用の本を整理。で御決まりの、埋もれていた本や、なかったはずの本が現れるのをあれよあれよと見ている(やれよ>自分)と、隠れていた片隅から緑色のたてながのソフトカバー本が現れる。ミシュランのグリーンガイド・フランス「JURA」版。丸善で取り寄せ、一緒に買った地図とともに隅から隅まで「サヴルーズ谷」という地名を探した資料だったが、彼がマダム・グラントの留守宅で開いたまさにその本が「パンプルムース氏」に霊感を与えたのであった。で、改めて同書の指示通りのところを開くと、ありました。その谷を擁する川はブザンソン近郊ではなく、同じジュラ山地の周辺ではあるが、現在ではフランス東部の主要工業都市である“ベルフォール”の中心部を横切る小さな川だったのである。さきに原綴を探してくれたK君によって、ネット上での魅力的な現地写真も確認できたし。それの一部は今回の更新でお見せできたのは、実に嬉しいことであった。そうか、そんな風景を黒死館周辺に再現しようとしていたのですね。算哲老は。
それにしても、そんなあれこれをベルフォールの住民たちが聞いたら呆れて笑うかもしれないなぁ。「この川を調べてるだって? 物好きな日本人のやる事はわからん」と。