MYSCON6 素天堂の独断レポート#1

今年もMYSCON、今回で4回目の参加。素天堂にとってはもう必須の年中行事になってしまいました。スタッフをはじめ、ご参加の皆様、いつも有難うございます。
今年から、自分の環境も変わって新たな気分で望むことにして、昨日から準備していた、洋画関係の資料を整理して早めに家を出る。
いつも心残りな東大前の古本屋巡りを今年は完遂したいと言うことで、まず「都営大江戸線 清澄白河」まで歩いて向かう。そこから「本郷三丁目」まで乗換なし。下車してすぐ東京メトロ丸の内線の駅上「大学堂書店」から。分量もあり、ジャンルも幅広いのだが、今回もピッタリはまる本がない。会場に向かうあいだに4,5件の店があって今回はじっくり覗くことができたのだが、場所柄だけに究極のジャンル絞りの店が目立つ、社会学関係の店でも、探している民俗学とか歴史とかでぴったり来る本がなかった。
3軒目の岩波文庫の在庫が豊富で、文学関係も多いお店をじっくり観察してでてきたところでフクさんにばったり。「早めに来てお手伝いですか」と声をかけられる。言葉を濁したものの、後のお店でもあんまり収穫はないので、お言葉通りに会場へ向かう。そのまえにコンビニエンスストアで「いいちこ」を買っているところを本日のグループリーダー蔓葉さんに見つかる、ちょっと恥ずかしい。例によって周囲を確認。斜め向かいの木造3階建て雑居アパート「本郷館」が健在なのでホッとする。森川町辺りに点在する戦前からの木造“しもたや”づくりの建築は、そこを含めて貴重な文化遺産だろう。
「鳳明館森川別館」についてホールを覗くと、スタッフの方々もまだくつろいでいる。手伝いを申し入れるが「今回は手が足りてます」とのことで、スタッフのミーティングをボーっと見てすごす。部屋割りも決まって、案内されると市川憂人さん、風々子さんと同室。マッタリと歓談。風々子さんから新発見の横溝文献を見せて頂く。眼福である。開会前のイヴェント同人誌即売会を覗くがプヒプヒさんがまだ。きっと自宅で製本中なのであろう。部屋に戻って横溝話をしているうちに開会の時間。大広間で、初対面の山名耕作(蒼龍窟居候人)氏に挨拶、感無量です。いかがでしたか? はじめてのMYSCONは。今度はじっくりお話ししたいですね。
恒例の今年のゲスト、太田忠司さんのインタビュー。今回はインタビュアーはプロの杉江松恋さん。練れた質問でゲストの作風やネットについての話題を引き出す。絶妙の間でタイミングよく笑いを引き出す。毎度のことながら素天堂に、読んでいないのが残念だと思わせてくれます。
インタビューの後、企画の説明、全体の注意等が終わって解散、休憩になってもまだプヒプヒさん登場せず。同室の方は弁当持参なので、一人で外へでて、いつも行く「オムレツ屋さん」へ。戻ったら、部屋に同人誌のケースが。本人は買い物に行ったらしく行方しれずに。全体企画の前に、買い物から帰ったプヒプヒさんにやっと面会。無理矢理持って行った独逸の演劇雑誌のコピーを押しつける。全体企画前の大広間で今年もアシェさん相手にまたまた昔話、いつもごめんなさい。
全体企画は9グループに分かれて、それぞれの班毎にテーマによるベスト・テンを選ぶというもの。(これについてはMYSCON公式ページにアップされるそうなのでお楽しみに)http://myscon.ore.to/
素天堂は4班(山下書店)蔓葉信博、matsuo、百三、サイトウマサトク、沖唯章、未成年、ルーク、葉山響(敬称略)のみなさん。
リーダーの蔓葉さんを含め、ほとんどがはじめてと思っていたら、百三さんから去年里子に出した角川文庫版「山椒魚戦争」の感想を頂く。うれしかった。メインメンバーの葉山響さんがおそばやで手間取っているとの連絡で、とりあえず見切り発車。我々に科せられたテーマは「こんな人がこんな作品を、意外な作品ベストテン(不正確)」うーん難しい。ある作家を結構読み込んでいないと、でてこない、結構高度なお題だ。今回のグループは偶然声の通りの悪い方が多く、題材の難しさと相まって座は湿りがち。必死にひねり出すも、意外性に今一難あり。お隣の3班(フクさんのいる)からは快哉の絶叫がとどろいて、なおさらどんよりしてしまう、リーダーと葉山さんの励ましで何とか8位までリストアップしたがタイムアップ。となりの3班のタレきゅんさんにおもわず愚痴る。「去年はよかったのにねえ」ただ、偶然同室の風々子さんと話していた横溝話ででてきた「びっくり箱殺人事件」と清張の「高校殺人事件」を取り上げて頂いたのはラッキーだった。古い作品ですけど、両方とも大傑作ですから。
各グループともテーブル上を飛び交う酒瓶の嵐をかいくぐって…… とここまでで、思わぬ分量になってしまったので個別企画以降に関してはまた次回と言うことで。