MYSCON6 素天堂の独断レポート最終回

熱気ムンムン、参加者ぎっしりの洋もの企画部屋をあとにして、次は、児童向けミステリ企画の部屋へ移動するが、まだ読書会が終わっていない。ネタバレありの恐怖の読書会なので、途中で入るわけにもいかないので、廊下で待機。2,3分で拍手が聞こえる。おしまいなのだ。
前の企画の片づけが終わってから、会場設営。なにしろ80冊に及ぶ、古今東西の児童ミステリが並ぶのだから壮観でした。主な入手先が多分“新古書店”であろうことは推察出来るが(素天堂もジュブナイルが大好きだったので)、一般の古本屋さんでは嫌われる児童モノをこれだけ集めるのが如何に大変か、その苦労は、大人向け作品のコレクションとは違った形で存在する。基本的に親に買って貰う児童書は、子供が気に入れば、ヨレヨレになるまで読み込まれるし、気に入らなければ資源ゴミになってしまうから、系統だって収集するのが困難なのだ。大人本の世界では忌避される“新古書店”だが、児童書に関してはありがたい存在なのだ。
今では、なってはいけない大人になった人々だって純真な頃があった。乱歩の少年探偵ものから入ったり、ホームズ、ルパンのリライトから入ったその頃のお子さまが、一般に次に進むのがオリジナルものなのだから、その現物を目の前に展示されれば心の琴線が揺らぐというものだ。だから、「ミステリ洋画劇場」でもそうだったが、パネラーの熱意が参加者をしのがないと収拾がつかなくなるのだが、えんじさん、そらたさん、秋山真琴さんの熱意は老練な参加者の生半可なノスタルジーを飛び越えていた。現物の迫力もあって、レジュメのとおり歴史と分類に説得力がありました。結構知っているつもりだった児童ものの世界が、実は広大な裾野で成り立っているのが実感出来た素晴らしい企画でした。
興奮さめやらぬまま、大部屋へ向かい雑談の時間とオークション。その時に石井さんから前に拝借したアンソロジー「カンタービル館の幽霊」を頂戴する。目を通せればと思っていたものの、やっぱり手元に置けるのはうれしい。どうも有難うございました。オークションの熱気をよそに雑談を続ける素天堂だったが、今年は睡魔に負けて2時には寝てしまい、6時に同室の市川憂人さんに起こされる始末。今年は二日酔いだ。フラフラしながら、邪魔ともいう整理の手伝いを少しして、今年はshakaさんに見送られつつ、鳳明館森川別館を後にする。
自宅に帰ってから、今日は出かけているK君の留守をいいことに、またもや惰眠。体の中の心地よいアルコール残量を、マッタリと感じながら、家に帰るまでがMYSCON、を実感した次第である。それにしても今年は、例年にましてアルコール類の瓶が飛び交った回ではあったなぁ。で、反省とともにもう来年のMYSCON7に思いをはせる素天堂でありました。