far away to 蔵之助in ikebukuro久しぶりに、内容の濃い土曜日だった。

前日がフクさんの歓迎オフatですぺら。めちゃくちゃ楽しい中、振り切るようにやっとの思いで帰って、朝、二日酔いを騙し騙しK君と渋谷へ。Bunkamuraで約束だった「レオノール・フィニ展」を見る。実は素天堂、フィニの現物は初めて。若桑みどりさんの快著「女性画家列伝」でも取り上げられている、不思議な世界観を見たかったのだけれど、その期待は裏切られることはなく、勿論画家としての技量も超一流で、特に中期を彩る「鉱物の時代」は、初期のシュールレアリスム時代より、脂ものっていて見事なものでした。K君も結構気に入ってくれたのはよかったけど。
問題はその後、渋谷古書センターに立ち寄り、職場に休日出勤するKくんが別れる間際に、「今日の会合、行くお店分かってるの」といってからが大騒ぎ。申し訳ありません。素天堂は店の名前をうろ覚えで、メールのコピーさえ持ってきていませんでした。K君にしかられながらも、店の名前が分かっていることにして後は何とかなるだろうの精神で池袋へ直行。電話帳なら出ていると思って高をくくっていたら、ハローページの居酒屋のジャンルには出ていない。一瞬青ざめながらも、いつもジュンク堂という本屋の前で、待ち合わせているみたいだからと、聞いていたジュンク堂の近所を歩いてみたもののそれらしい店はない。途方に暮れていたら、道端に救いの神「Hot Pepper 新宿・池袋版」が捨ててある。これぞ、捨てる紙に拾う紙!で、えーと、蔵衛門は画像管理ソフトだから、蔵之助だよな。でも、こいつは新宿ばっかりでてきて、どこに池袋の情報がと必死でページをめくっているうちに、なんと、煌めくような☆激辛カプサイシン鍋……蔵之助☆の記事が! おお。あったぞあった。ここに違いないと小躍りした素天堂は、なんとそのまま“東口”で丸井を探し始めたのである。渋谷寄りジュンク堂の方にはなかったから、きっと反対の方だと思ってもあっちはパルコだし、こっちへ行ったらサンシャイン。どこだどこだ丸井がないと東口をウロウロしているうちに駅の表示“東口”。なんだこっちは東口だった。そうだよ、池袋は東に西武、西に東武だったっけ。長い遠いJRの地下道を潜り抜け、やっとの思いで西口の地上の日を浴びに出ました。
ところが、丸井がない。丸井はどこだ。バスターミナルから少しずつ駅を離れる手には「Hot Pepper」の切り抜きを握りしめ、ビルの上を見る。と、そのうちに丸井のビルが見える。これで、K君に怒られずにすむと思いながら、大通りの方に進むと角のビルの上に「蔵之助」の文字があった。これだ、これに間違いない。というところで、
さあ後1時間近くまだあるし、ある出入りの本屋さんに聞いたところでは池袋には結構良い古本屋さんがあるらしい。で、「蔵之助」のビルをやり過ごして向かいの細い道に入り込む。この町には古本のにおいがしないなどとうそぶきつつ、ウロウロするうちにやっと一軒の本屋が目に付く。前言撤回、入ってすぐのところから結構中身の濃い店らしい。例によって一冊一冊なめるように見ながら移動すると、「黒死館」の文字が。教養文庫だ。とりあえず手に取るとなんと、初版第一刷。ビンゴ。もう時間が間に合いそうもないので二階はパス。エレベーターにご一緒したのが、中相作さんと同行の方。濃ーい話を小耳にしながら、やっとお店にたどり着いたのでありました。渋谷を出て2時間。池袋の蔵之助ってこんなに遠いところだったのですね。たどり着くまでで、こんな分量で、楽しかった本編と二次会までたどり着けませんでした。