異人館巡りin神戸 (1) aug.20.2005

絹太氏の計らいで(ゆっくり異人館を徘徊すること)8時過ぎの新幹線に乗る。朝食の駅弁がすんだら寝てしまって、名古屋で一瞬起きた以外はほぼ3時間寝っぱなし。おかげで、元気に北野から居留地一帯の近代建築巡りができました。
新神戸」をおりて北野方面に歩き出すととたんに見慣れた看板と店名が現れてビックリ、「二笑亭焼肉屋さんらしいが、勿論開店前で、畳の縁が鉄製かどうかは確認できませんでした。ガイドブック片手に三日間にわかガイドをしてくれた絹太君は、もう異人街目指して一直線。ゆっくりと上っていくうちに「異人館街近道」と「公開中・中国旧領事館」の表示が目に入る。素天堂にとっては比較的新しい部類に入る「アール・デコの館」や「オーストリアの家」を横目で見ながら、そこまで行くと客引きと、それに誘導される大量の観光客。素天堂の鼻に匂うものもないようなので、そこは退散。それより周辺の石畳の細道がお気に入りでグズグズしていると、強烈な暑気にあてられた絹太氏は若干お疲れ気味のようなので、さっきの「オーストリアの家」へ、勿論再現されたという「モーツァルトの部屋」にも、コスチューム写真にも興味ない二人は、ガーデン・カフェに居座る。彼女はジンジャエール、素天堂は現地では飲みもしなかった濃い口のエールを。隣に座った年かさの男性は、素天堂と同じビールを頼んだのはいいが聞こえよがしに「やっぱり外国のビールはくどいなあ、日本のビールの方がうまい!」なら、日本のビールを飲めばいいと文句たれつつ、席を立ち「うろこの館」に。
さっきの一角より一段と人通りが激しい。異人館街の目玉らしいのだが、ショウアップされすぎ。鱗状のスレートが張られた丸塔はどうも生理的に好きになれなかった。しかしながら斜面を利用したイタリア風の階段庭園は小さいがおもしろかった。庭園の中にはフィレンツェのイノシシがドテンと据えられていました。館内は、サービスかもしれないが、小物の陳列が多くて印象が雑だった。隣のいわゆる美術館にはいると、入り口に巨大な演説するレーニンの肖像が。今時この絵の人物が誰かさえわかるまい。それをメイン?にキスリング(これはいい)やビュッフェ。個人収集の美術館らしく19世紀の装飾絵画もいくらかあるけれど、いわば購入単価で大きさが決まっているような不統一が気になった。唯一収穫は、水彩で安井賞を取った堀江 優のコレクション。 旧約聖書を題材に大きくデフォルメされた人間像は迫力があった。ここは休憩所兼用展望室になっていて、この部屋からの神戸港の眺めは見事だった。これが、居留地の醍醐味なのだ。
実はここから、本当に気に入った2軒の異人館に行くのですが、また続きになります。