異人館巡りin神戸 (4) aug.20.2005

垢抜けないというより、情けない土産物屋の並ぶ細い坂を下りてバス通りにでる。何軒かの観光客向け公開住宅には食指も動かないが、予想外に内容が豊富で、しかも現役の住宅建築が多いのには驚かされたし、全く予習をしていなかったので、北野の街自体が本当に新鮮だった。小腹はすいたがめぼしい食事どころが見あたらず、少しずつ周囲を見ながら「シュウエケ邸」を目指す。
北野坂から角を曲がって二,三軒目に絹太氏がカレー屋、というよりインド料理屋を発見。どうも商売のうまくなさそうな、だけど結構本格的なカレー料理をたっぷり堪能して、表にでるとその向かいはガレージを利用した情けない放出衣料の店が、そこで、絹太氏が日除けの帽子を買ったり、それを待っていた素天堂は安物のワークシャツを買ったりして、目的地へ。
移動の途中で出会った建物について、いちいちふれるのも煩わしいけれども、表通りから急な階段を上がった上にある神戸華僑総会のクラブハウスは、なんだかトラブっているような表示と、人気のない建物はなんだか古めかしい探偵小説の舞台になりそうだった。その裏手、路地周辺の古い一般建築のたたずまいは、随所にちょっと昔の香りが残って、もう東京の町中では見ることのできない、妙に郷愁を誘う光景だった。
その細い道を緩やかに下っていくと、表通りと交差する地点に、お目当ての双子の洋館がひっそりと佇んでいた。