異人館巡りin神戸 (7) aug.22.2005

6回も使ってやっと初日が終わった。実は2日目(大阪編)はもうとっくにレポートが終わっているのです。http://d.hatena.ne.jp/sutendo/20050824
前日の驚異的な戦果を新大阪構内のコインロッカーに置いて今日が最終日。あの禁欲的な小豆色の阪神電車でまず、六甲を目指す。目的は神戸高校、絹太氏の出身校だが、あるサイトでその校舎をみて、素天堂がリクエスト。絹太氏の回顧談を聞きつつ、質実剛健を絵に描いたような生徒たちの休日練習に囲まれて校舎を拝見。校舎本館の正面が美しい。真夏の熱気の中、ひんやりした校内は素天堂の遠い昔まで思い出させるものだった。最寄り駅までの急坂をさらに甘苦い思い出話を聞きながらゆっくりと下る。「王子公園」というなんだか魅力的な施設があるのだが、今日のスケジュールには入っていないので通過。この近所の「水道筋」という商店街に古本屋があるのだというが、その場所がわからない。試行錯誤の末に見つけたその商店街は、東京でいえば巣鴨のような、活気とある種の雰囲気のある商店街だった。結局本屋は見つかったものの、お盆休み。とは言っても素天堂好みの迷宮感あふれる魅力的な街の雰囲気に異邦人は大喜び。昼は商店街中程のうどん屋で。そこも夜はブルーグラスのコンサートをやるような素敵な趣味の店で、しかも、うどんの味は良好。口内をフレーク状の氷でちくちくさせる不思議な凍結酒で、微醺を帯びて素天堂はご機嫌。次の目的地である「相楽園」へ。阪急電鉄「王子公園」から「花隈」という各駅しか止らなそうなマニアックな駅を使っての移動は、やっぱり地元の強みなのだろう。ガイドさんの的確な指示により、うーん、ちょっとな感想を抱きつつ、モダン寺を通過、絹太氏の印象は正しく、やっぱり建て替えられていたそうだ。先代のモダン寺は見てみたかった。
今日の主な目的である「相楽園」は、2棟の近代洋風建築を柱にした、和風庭園。月曜日ということであまり観光客も多くなくゆっくり落ち着いた園内を散策。敷かれた玉砂利が熱気を吹き出すぐらい、暑ーい! そんな中ベンチで休むにわかガイド氏をそっちのけで旧ハッサム邸(これも近代建築ファンには垂涎の的だった)に夢中な素天堂。裏を見て、表を見て。おお、ここにも落ちた煙突が! 木造建築に組み込まれた煉瓦造りの煙突は弱点なんだろうなあ。
歩きながら、ガイド氏の地元の強みで、あそこもここもと指さす中、大通りの向こうに時代は下がったものの見事な官衙建造物が。「兵庫県公館」端正な正面レイアウトに、夢中になり駆け寄る親父。館内も制限はあるもの見学自由ということで大喜び。落ち着いたデザインの、室内も見事で洋館探訪の掉尾を飾るにふさわしいピリオドでありました。
今はなき絹太氏の出身小学校の話や、健在の中学校を横目にしながら「公館」を出て、もうそこが本日の目的の二つ目“神戸古本ツアーNO.2”の始まり。「元町高架下商店街」死のロードの開始点であった。