性懲りもなく

また崩れた。
素天堂は本好きでありながら、蔵書をぞんざいに扱う悪い癖があるので、貴重書(あくまでも自分なりにだが)の箱を踏みつぶして背を壊したり棚から落として角を痛めたりということばかりしている。
今回もあれだけいわれ続けた「段ボール箱を重ねて本箱にするな!」を無視して、棚の足りないところを多量の段ボールでだましてきた。天井近くまで積み上げたそれが、素天堂の留守中根本まで崩れ部屋中を本の洪水で埋め尽くしたのだ。
自分が見つければ当然腰が抜けて「もういやだ」といい出すに決まっている。イヤならやらなければいいのだ。困ったことに今は同居する人がいて、それをきれいに、忠告を無視した素天堂に、怒りまくりながらもかたづけてくれていた。申し訳がなかったと思いながら、自己嫌悪の嵐は今でも続いているのだが、現在、生まれて初めて期限の切られた仕事が重なっているという状況で、部屋の中の惨状を連日目にしながら日を過ごしている。これをしなくていいように引っ越ししたはずなのに。