雑記ピナコテーカ・トレヴィルとナショナル・ジオグラフィック・チャンネル

先週の半ば、絹太氏の脱稿ご苦労会を、彼女お気に入りの居酒屋で。
その店の場所は家からはちょっと離れているのだが、隣が、彼女が引っ越してきてすぐに開発した、魅力的な本屋さんの一軒なので、そこで毎回待ち合わせになる。店頭の放出本が侮れないので、いつも時間がかかるのだが、もう一軒、公園の脇の支店が下車駅に近く、そこで吸い込まれたらしい絹太氏が遅れてきたので、今回は一緒に店内を見た。品揃えが楽しく、結構本が動くので、毎回が楽しみなのだが、店内を巡回中、上の棚を見て久しぶりに目が泳いだ。高いところに大型本が並んでいるのだが、その中に、「ピナコテーカ・トレヴィル」の完揃いが! あそこの本は視点は面白いのだが、造本、装幀が素天堂の気にいらないことが多く、買いにくいものが多かった。その最右翼がこのシリーズで、何冊かは、やむを得ず持っていたが、引っ越しの際にすべて処分していたので、探していたものだった。特に「ハドソン・リヴァー派」は刊行当時はその存在自体を知らず、あとから、奇妙な風景画家トマス・コールの存在を知ってから探していたものだったし、それ以外のものも結構プレミアがついていたりして買いづらかったものだ。(タイトル脇トマス・コール「タイタンの杯」)
http://blog.so-net.ne.jp/lapis/2005-09-16
たまたま、財布の中身が何とか間に合ったので、即、買い。勿論、今月の本代の大部分はこれで消えた。その後は本を探すにも気がそぞろで絹太氏に、いぶかしがられるが、それに答える余裕もない体たらく。それ以外の雑本と一緒に会計。また、大型本が増えてしまったが、ちっとも重くないのは、古本者の悲しいサガである。
隣の酒場へ入ったら、はじめて、テーブル席へ案内されて、ちょっとうれしく、例によってそれぞれの収穫を開いて、反省会。公園脇の支店の品ぞろいが楽しかったそうで、絹太氏収穫多し。素天堂は例の画集以外を開いて、うんちくの垂れ流しと、おいしいつまみを肴に、楽しい酒盛り。ご苦労会は大成功であった。

週末はyahooBBTVのナショナル・ジオグラフィック・チャンネルで、「ダヴィンチ・コード」がらみの特番が三夜に渉って七時間、留守にしている絹太氏の命を受けて録画していたが、目新しい情報こそ無いにしても「世界ふしぎ発見!」のノリで、映像で見られるのがうれしい。作者のダン・ブラウンが結構まじめに自著を語るのが面白かったし、聖堂騎士団については、多分こんなに詳しい番組は今までなかったから、結構貴重な番組だった。
http://broadband.biglobe.ne.jp/store/tv/ngcjapan/
それを見ながら、前日の収穫だった「ピナコテーカ・トレヴィル」の梱包を解いて、涎を垂らす素天堂であったが、お出かけ帰りの絹太氏は、お好みが基本的に抽象系の画家なので、それと全く対称的なこのシリーズには、はっきりと辟易しておりました。仕方ありません。なにしろ、この叢書自体が、エグエグのマニエリスム美術集成みたいなものだからなあ。