窓ROM

久々に、赤坂のIさん、いや、現状は戸田のIさんか。どっちにしろ元気そうに薩摩焼酎を飲みながらだという声を聞けて、ちょっとホッとした。現状は凄まじいようだが、進みつつあるということで、先は見えてきているようだ。そのトド氏と半年違いで新生児に戻った。そのお祝いにK氏から頂いたのは、〈あられちゃんのフィギュア〉十三点完揃いと、キース・エマーソンとザ・ナイスのCD二枚。キースといえば、うねり狂うキーボードサウンドもだが、青池保子の名作「イブの息子たち」、苦悩のバレリーナ!〈ニジンスキー〉のあの決め台詞「ヒース、私を見て!」のモデルでもある。三っ子の魂百までというが、幾つになっても、趣味は変わらないものだ。
ちょっと前に松山さんの喜寿の祝いに声をかけて頂き、K氏共々出席させて頂いた。同席のみなさんとの絶妙な話術と話題、そして赤ワインで割った焼酎に酔いしれてきた。帰宅時には、滅茶苦茶K氏にご苦労をかけたらしいのだけれど、その翌日は心地よい昨晩の名残で、半睡の半日を過ごすことができた。まだ残る酔いが身体を浮かせ、何を考えるでもなく、脳内を渦巻く回想とかアヤフヤな思考が、湧いては消えるそんな至福の時である。小学生の頃、住んでいた家の窓の磨りガラスに逆さに映る、雨戸のピンホールからの小さな小さな表の光景を飽かず眺めていた。そんな思い出が浮かんでは消える。そうでなくとも、年齢の所為でけっこう遅く寝ても、比較的早く起きることが多い。そんなときに、寝床をたつでもなくぼんやりとした時間を過ごすことが増えてきた。少し前なら、そんな無為の時間が歯がゆくてたまらなかったものだが、初老の峠を越えて、日々、懶惰を楽しむ境地に近づきつつあるのだろうか。と言いつつの、〈あられちゃん!かわいい〉なのである。