また“あの”季節が……

昨日こちらでは、明け方に強い雨が降った。幸い出勤時には止んだのだが、そのせいでかもしれないが、今年最初の“あの”薫りの洗礼を受けた。
いつも通る小名木川の橋を渡りきったその瞬間のことである。一瞬振り向いたものの、当然ながらその木の影など目にも入らなかった。前日の日記で、内田善美関係の旧稿をアップした瞬間だったので、ちょっとうれしかった。暑い日の続いた今年だったが十月を過ぎて、やっと秋風を感じた瞬間の出来事であったから、なおさらである。その後、沿道の、例年見かける金木犀の植裁を注意しながら職場に向かったのだけれど、日当たりのよい場所に植えられた他の木々にはまだ黄金色の小粒の花はまだ見えていなかった。
一年のうちのわずか一週間、甘やかにしてからみつくような“あの”薫りを愛でることのできる日が来た。