ピエールとロベール。

ムッシュ・ピエールといっても大阪の飲み屋さんでクロースアップマジックをしているバーテンさんではない。素天堂の大好きな十八世紀の廃墟画家、ドマシーのファーストネームである。実はまたもK氏に黒死館徘徊録の表紙を飾ったイメージを集めて、よりきれいな画像に交換したり、原題を調べたりと、またもや七転八倒の末に〈Staircase Gallery〉をアップして貰ったのだが、その中で、素天堂、大間違いをやらかしていた。その中の#015「廃墟図」の画家名が、素天堂の勘違いでロベール・ドマシーになっていたのだ。K氏は四苦八苦して、画家名を調べ直してくれたのだが、間違いの原因はこれ。

初期のフランスの写真家で、雰囲気のいいポートレートの名手なのである。集英社の名企画『世界写真全集』でみたこの作品に、惚れ込んでいたので何の抵抗もなく〈ロベール〉さんにしてしまっていたのである。今回調べ直してこんな作品もあると驚いているのだけれど、これはあまりにも古代時計室にはふさわしくないので、取りあえず、こちらでアップする。最初期の自動車Photoの傑作であろう。それにしても、この疾走感、見事なものである。