谷根千散歩-勿論一箱付き。

sutendo2008-10-13

春は根津のツツジ祭だったが、秋は谷中まつりだったそうだ。今回はK氏のやむを得ない事情でお店での参加は出来なかったが、そのK氏のたっての希望で、お客参加することにした。日曜日というのに、普段通りに外出したK氏と小川町で待ち合わせ。新御茶ノ水から根津へ向かう。外へ出る階段がやけに焦げ臭いと思ったら、鎮火はしていたが、火事の現場を目撃。K氏曰く、出口を間違えたというのだが、そのお陰で、「オヨヨ書林」で本日最大の収穫。興奮冷めやらぬ素天堂を引き連れ「一箱古本市」会場方向へ向かう。腹減ったとごねる素天堂を見かねて道筋の中華屋さんへ。思わぬ拾いものでおいしい鶏ソバと唐揚げ弁当のセット。気持ちのいい天気と共に幸先のよいスタートだった。
まず、根津の「宗源寺」会場へ。きつい坂を登っていくと法事帰りの方とすれ違う。やっぱり寺の多い町だけのことはある。でもその法事はどうやら、会場の「宗源寺」さんだったかもしれない。こぢんまりした境内の、明るい日差しの中での陳列はちょっと、心がうきうきする。残念ながら、この会場では、いい物はあったけれど、持っている本は買えない状態だった。特に、河出版ベルメールの初版。きっと泪を流しつつ手にした方もいらっしゃったのではないだろうか。

近くだという「大名時計博物館」は素天堂が大昔行ったこともあって、盲滅法に歩き始めたが、どうも雰囲気がよろしくない。そこで、会場に戻って、スタッフさんに聞こうと思ったのが大正解。本当に近所だった。あの頃はほとんどヒッソリとしていた個人の博物館だったが、今は、観覧客が引きも切らず。ユッタリとした不思議な雰囲気を堪能して次の会場へ。
ちょっと道を間違えたが、まずまず順調に「ライオンズガーデン谷中三崎坂」に到着。場所柄か何となくアットホームな雰囲気の中で一冊。外も、谷中まつりの真っ最中。並んでいたバザー会場を覗いたり、道路向かいの大圓寺菊まつり会場で、若干脱力気味な「笠森お仙」の菊人形を見る。菊人形の自称専門家K氏にはちょっと物足りなかったようだ。その前に店を構える菊酒を頂く。ぐい飲みで一杯ずつ。菊の香りが酒に溶けて、なかなか風情がありました。
そのまま、まっすぐ降りてゆけば団子坂のてっぺんの駒込大観音〈光源寺〉につくはずなのだが、急坂を登り詰めるのがチョット辛い。やっとの思いで駒込学園に到着。信号を渡ると賑わいが見えてくる。今回最大の会場では他のイヴェントも併催されているようで、会場が華やかである。現代建築が眩しい本堂前の境内に居並ぶ古本店主の顔ぶれはなかなか強者揃いで、結局四冊の買い物。
ヤギさんの人形作りや、沢山のイヴェントを堪能して、最後の目的地へ向かう。途中、雰囲気のある須藤公園で、蚊に食われながら、一休み。残念ながら、「古書ほうろう」では大きな収穫はなかったが、『講談社文庫版 乱歩全集』の未刊行エッセイの端本を掴んで、表に出た。よみせ通りを休める店を探しながら、そろそろ限界のK氏だったが、何とか喫茶店を見付けて一息。千駄木駅から帰宅した。
 帰りの空