みんな夢の中 『幻影城の時代完全版』講談社BOX

届いた包みを開いた。おーっ、これは『メタルカラーの時代』か、という造本である。まさかこの大冊を職場に持ち込むわけにも行かず、数日かけて資料編、回顧編に眼を通した。とにかく至れり尽くせりの構成である。本多さんとの宴席での会話通り、売れなければいけない本、が売れているようだ。勿論、所謂同人誌版も、これが出たからといって、価値が下がるわけではない。独特の構成と、その編集姿勢のお陰で、飢餓状態は続くのだと思う。素天堂にとっても、想い出がいっぱい詰まっていた。その頃のことは、まだまだ出てくる。また昔話だ。そう、浜口庫之助の名曲ではないが、あの頃は〈みんな夢の中〉だったのだから。
それにつけても、石井春生さん、本多正一さんをはじめとする皆様のお引き立てのおかげで迎えられた、年の暮れである。一生の想い出として、この大きな本は自分の机上を占拠し続けるのである。
さて今日は、コミケ。準備して出かけることにしよう。その後には久しぶりのですぺらだ。