雑司ヶ谷の寒風にめげず

久しぶりに、少し纏めて辞典作業でもと思っていたら、K氏に、〈わめぞ〉に行こうと声をかけられた。ちょっと前に池袋古本行脚敢行の際、お気に入りだった古書店往来座」の店外で、小さな古本市があるんだそうだ。そういえば、谷中の青空一箱古本市に出店した時に、その名前は聞いていたかも知れない。一、二冊の拾いものでもあれば、まあ。良いかと重い腰を上げたのが、一時近く。二日目だし、もう、目玉はないよね。などとヌカしながら東口を出る。ジュンク堂のレジの混雑を覗きながら、鬼子母神方向へ約五分。もう、人だかりが目に付く。
さっそく、最初の棚で吸い寄せられる。目玉がないどころか、大ヒットだった。明治通沿いの日だまりはともかく、東側は、結構風が吹く。とはいえ、本気違いは木枯らしが吹こうと、雨でさえなければ、何にも感じるわけがない。お店のお姉さんが見かねて篭を出してくる程買い込んでいた。店内もさすがにたて混んでいて、重い買い物が苦痛なのである。
しかし、美術図録部門だけはしっかりチェックして、『SPAZIO』のエトルリア特集は掴んで店外へ出た。もう少し見たいというK氏を店外の陳列を再確認しながら待っていたが、ヴァラエティに富んだ品揃えが、二度目の物色を飽きさせない。前に持っていた本、買い切れない本等々、今回は目に付きながら買えなかった本も多かったが、それでも篭一杯の買い物で、おなか一杯であった。
とはいっても、本では飯にならないし、帰りがけに、さっき見かけた大阪風串揚げの店に飛び込む。思った通りのキャベツ食べ放題、串揚げのやすい良いお店だった。店員が休んでるとかで、おじさんひとり頑張っていたけど、それさえも、いいつまみになるお店で、思う存分、串揚げを堪能してきた。勿論夜は、食事など必要ないくらいだった。店名も見ずに入ったところだったが、是非次回は店名を確認して入ろうと思う。というわけで、結末を桃鉄でしめた大満足の一日であった。