もう一つ意外なところから

K氏が見つけたジョン・ディーの評伝を覗いていたらTIMON COCCIUS, BREMEN, 1589という名前が飛び込んできた。これはもしや〈コクチウス〉と読みはしないか。早速検索にかけてみると、勿論TIMONではヒットしなかったが、COCCIUSで大当たり。
所で、眼科に使うコクチウス検眼鏡の装置を御存知でしょうか。平面反射鏡の中央に微孔を穿って、その反対の軸に凹面鏡を置き、其処に集った光線を、平面鏡の細孔から眼底に送ろうとするのですが、(略)。SML395
日本語で検索すれば、一件の例外(但しそれも判ってみれば、コクチウス自身の重要な業績である)を除いて、『黒死館』本文しか引っ掛からないコクチウスであるが、原語で検索すると、何とそのものの画像まで見ることが出来る。
さらに今朝のことだが、『黒死館逍遙』のご愛読者の方からメールが届いた。「古代時計室」中の項目に誤りを発見されたという、ありがたいご指摘である。ある地名なのだが、その上、関連項目である作成当時は存疑不詳であった医者の名前まで、今ではwikiで参照できるとのことであった。確かに、視点こそ〈逆遠近法〉的でなくてはならないが、現在の道具としてのネット環境は、紙媒体を凌ぐものになりつつあることを、再認識させられた。