初参加 「第八回文学フリマ」

早起きは、老境に近い人間の特権だ。無駄に起きた時間を埋めようと日記を書き、K氏がほとんど終わらせてくれた準備をもう少し補充したりで、出発時間になった。下調べしていた時間通りの住吉出発。京浜急行は初めての、K氏の反応が楽しい。とはいえ知っているはずの運行ダイヤや駅の状況が変わっていて、ちょっとまごついた素天堂であった。
京急蒲田付近は、空港関連の大工事で全く様変わりしている。戸惑いつつも第一京浜沿いを会場に向かう。ちょっと早かったので、入り口付近のカフェテリアで一服できた。前に立つ白と緑の鮮やかなダンス衣装のコスプレに一瞬戸惑ったが、別のイヴェント会場での、スクェア・ダンス発表会のスタッフだった。受付が始まり、入場待ちの列が移動し始めたので、後につき入場する。
広い会場にユッタリした配列で、しかも壁の一部がガラスなので閉塞感がないのが好ましい。某イヴェントで手慣れた準備を完了し、配置についたサークルを偵察に行ってみる。エディション・プヒプヒさんは、多分既刊本の製作で徹夜でもされたのか、ちょっと遅めの到着だった。取りあえずご挨拶。
十一時の開場で一般参加者が三々五々というユッタリとした感じで入場する。勿論、それぞれ思惑をお持ちなのだろうが、あのイヴェントでの殺気は感じられない。然し、開始十分もたたないうちに、お一人の方の大人買いがあって、驚愕した。ありがたいことで、本当に『黒死館逍遙』のフリマ登場を待っていて下さった方が、いらっしゃったのである。それ以降、あまり途切れることもなく、K氏の『眼鏡文人 特集小栗虫太郎 ノリハゼクマ編 改訂新版』も含め、多くの方に手にとって頂き、多くの方にお求め頂きました。また、内容を吟味してご自分のお気に入りの号を買って下さった方が多く。特に〈ファウスト特集〉の第四号、〈アンソロジー樺の森〉の第七号が気に入って頂けたようで、それも素天堂を喜ばせました。
用意した案内チラシもほとんど捌け、また新しい読者の方を見つけてくれるかもしれません。お誘い頂いたプヒプヒさん、素敵な売り場を提供してくださった〈文学フリマ〉スタッフの方々、本当にありがとうございました。
終了間際にいらしたR氏、Ka氏にサープライズ・ゲストの某氏も加わり、撤収後の京急蒲田駅付近古本回顧巡りのあと、やっと開いていた「養老乃瀧」で、歓談。濃ーい濃ーい古本話に花が咲き、若い方々を煙に巻きつつ、つぎの予定に残念そうな某氏の退席をしおに、花の咲きまくったあの話とか、この話とか、オフレコ満載の話題多発に、結局またの集会を約しての解散となりました。二週間立て続けのイヴェントの疲れからか、我K氏は酔いが回って帰宅早々、入浴食事もそこそこに御就寝とあいなりました。何時もご苦労様。