初めてのお使い@百人町

解放された土曜日初日、言いつかったお使いがてら、Bunkamuraでも行ってこようか。起きても間が持てなく、妙に早く家を出る。総武線もまだそれほど込んでいない。大久保の駅から、聞かされていた、高架沿いの細い路地を抜けて、頼まれた御用はテキパキと終わった。ひねた新生児はそこら辺は得意なのだ。目的地までどうしても新設の副都心線に乗ってみたかったのだが、通っている明治通沿いは新宿三丁目側なのを思い出し、素直に新大久保から山手線で渋谷へでる。ここ数年単独外出は夕方以降が多く、しかも繁華街はほとんどその機会がない。
八月の初日とあって、道玄坂下のセンター街へのスクランブル交差点は道も見えない大混雑。何となくイヤな予感を感じながら松濤の方へ向かう。目的の展覧会へ、降りようと思ったエスカレーターは動いていない。低い地下の吹き抜けまで降りると、チケット買いの列が目につく。まだそれほどとも思えないが、並ぶのがイヤで引き返す。脇のチラシ置き場から『ココ・シャネル』の映画チラシを抜く。大昔同題の作品があったが、大甘の恋愛映画に辟易した覚えがあった。まさかあれの再映ではと思ったら、なんと主演がシャーリーではないか。おお元気だったか。しかも視点が晩年だとすれば、結構しょっぱい映画に仕上がっているかもしれない。Bunkamuraでは、それくらいかな。
いつもの通り、道を間違えながら道玄坂小路を抜けて、井の頭線のガード下へはいる。数年ご無沙汰の「渋谷古書センター」へ足を向けると、開店準備中だったので南口バスターミナル前のビルの喫茶店で一服。
地下の美術書専門も期待なので、ノンビリ店内を物色していると、妙に美術関係書が目につく。一階はそれほどスペースがないので、ちょっと訝しく、店主さんに確認すると、美術、建築関係はネット販売に特化して、地下は倉庫となっているという。大分落胆したが、一階でちょっとした買い物が出来たのでよしとする。
あれほど、長い間続けていて、繁華街での一人歩きは慣れていたつもりだが、たったここ数年の職環境の変化で、どうやらそれが億劫になっているようだ。しばらくの間、リハビリの要があるかもしれない。
ところで今日買えたものは、新刊のおまけにつけるはがき用に使える、大変充実したドイツ都市の市街図集だった。ありがたい。