オヤジは確かにその店名の通りだった。

今の作業について、四ヶ月が過ぎた。当初の予定では二ヶ月契約だったのが、延長に延長を重ねてとうとう二月一杯まで契約が更新されることになった。当初の一ヶ月は、慣れない歩きづめで膝痛や踵の痛みに悩まされていたが、今では作業終了後に無駄に歩くことさえできるようになった。何度かそのつれづれに見かけた光景をお見せしてきたが、いよいよ終盤に近づいた作業の締めとして、最近取った携帯写真を少し出してみようと思う。
先ず最初は作業終了後の夕景三点。
多摩川土手
上池台 平和島陸橋
続いては、多分この作業につかなければ、一生眼にすることもなかった光景。自転車も降りることが出来ない雪谷の急坂。
  

ある街のアパートで眼にした、ボロで目隠しした窓である。その宅には間違えて入り込んでしまったのだが、入り口の扉には手書きでかかれた魔よけの札が貼ってあった。

この住人は、いったいなにの侵入をおそれてここまで覆っているのだろうか。
大森近くの旧東海道の景色。朝のうちに通ったらまだ残っていた前日休業の張り紙の店名に引かれた。多分飲み屋なんだろうと思って、再度通った時には見逃していたが、何と鯛焼きやさんだった。どうも風邪を引いての休みだったらしく、店主はマスクをしていたが、マスクがなければきっと、苦虫を噛みつぶしたような顔が拝めたろうと思われる。とはいえ、鯛焼きの餡は柔らかく、ふっくらとしていて店名のような苦みはなかった。
  
最後のオチは、旧東海道の川端に残った、今は使っていないと思しい、二階からのポットントイレの残骸である。