レーヌ・ペドークはシバの女王

このところ遊び呆けつつ、浮世離れの中世に浮かんでいる。マールにフォションバルトルシャイティス、素天堂ごときが、取っ組み合う相手を間違えているような気がするが、始めてしまったら終わらない。
『盲獣』以来、書こうにもネタが出てこない、そこでひねり出す無理矢理のネタなのだが、なんと、西洋焼き鳥の象徴のような「レーヌ・ペドーク」とは、なんと、賢王ソロモンをたらし込んだシバの女王の別名なのだそうだ。
 英訳本表紙
アナトール・フランスの素敵な錬金術風味青春小説しか思い浮かばなかったが。碩学エミール・マール『ヨーロッパのキリスト教美術』からの一つ話。
女王の訪問を告げられたソロモンは、ジン(妖精)を使って、自分の王宮に彼女の王座を運び込む。その上、広間に水晶を敷き詰めさせて女王を招き入れると、まず、自分の玉座があるのに驚き、入ろうとした床がまるで水で満たされているようなので、思わず衣の裾を上げてしまう。美しいシバの女王だが、その足はなんと、醜い鵞鳥の足だったのである。聖書の逸話を膨らませた中世説話の見本だし、なんかいい絵がないかと思ったが、お店とワインと観光船の写真ばかり。
 ヴィンテージラベル