コロンで転んで掘り出し物

三月遅れの修羅場である。旧約、中世と足跡を追ってきた幻想建築だが、十九世紀で足止めを食らった。やっぱり最大のイヴェントとしてケルンの大聖堂を取り上げなくちゃと思った。『ノートル・ダム・ド・パリ』だけにしておけばよかったのに。
簡単に考えて、伝家の宝刀、正宗白鳥の『コロン寺縁起』を引っ張り出そうと、魔窟の中を這いずり回ったが出てこない。頭に来てgoogleで、テキストでもないかと思って探ったら、思いがけない基本資料がぶち当たった。四代目に当たる当聖堂の創建者マイスターゲルハルトを追っかけていったら、1911年刊行だというこんな本に巡り会えた。“Der Dom zu Köln
いつものことだが、火事場の馬鹿力なのだろう。創建からの経緯と、落成までの事情を集成したもののようである。古いドイツのゴシック文字で、全く解読不可能なのだが、まずは画像だけでもありがたい。

何しろ百枚を越す画像が建立の事情を物語っているのだから。もしかすると正宗本のネタもとかも知れず、どなたか、眼を通していただけないものでしょうか。