新文芸座初体験

新も何も、池袋で映画は始めて。長い間、日本の映画を無視してきたせいもあって、文藝座には全く縁がなかった。まあ、見たいと思う洋画を見るだけで手一杯だということだったわけだが。今回『黒い十人の女』を見たくて、K氏にくっついて池袋まで出た。
『鍵』とのカップリングというのは、知らないなりに凄かろうと思っていたが、そんな素人考えを吹っ飛ばす、凄いものだった。とにかく、女優がよかった時代なのかな。それとも市川昆の目がいいのか。どの女優も一番美しいショットがあった。京マチ子と叶順子が首まで触れて語り合い、岸恵子山本富士子が、男を殺す算段に夢中になってウィスキーをがぶ飲みするところとか。
市川作品をロクに見もしないでいた、自分を責めてもいいくらいに衝撃的な出逢いだった。あんまり嬉しいので、池袋でたった一軒しっている串揚げ屋で、祝杯を挙げてしまった。