茶色の夢

どこかの研究室のような一室。
古い茶ばんでゴ××リの糞だらけの一括りの雑誌をグループで整理している。
明治期のものらしいが、誌名もジャンルも定かではない数十冊の資料だ。
埃と糞を払いながらチェックしているうちに、小さなコラム記事か、書籍広告のようなものを発見する。
ほとんどがスミで印刷された中、そこだけ朱色の印刷で目立つ。なんの意図か抹消しようとした強く荒い筆跡(ふであと)の下に、かすかに羅馬とか判別しきれない漢字に振られたゴの字が印象的だった。赤鉛筆で破れそうになるまで消されたそこには、多分日本最古のキリスト教会の様式名が書かれていると覚しい。
全体が表紙も取れた裸本状態だったのに、その周辺だけは紐かがりの書類ばさみになっていた。
これは重要だからと、監督の人物に告げると了解されたようなので、他の作業にかかり振り向くと、他の作業員が資料の埃と糞を払い、資料の束を綺麗に纏めてうれしそうにしている。顔色を変えて詰問すると、さっきの書類ばさみは外して、資料に一括して交ぜてしまったという。酸化して、ボロボロになったページを、内心泣きながらめくりはじめるというところで目が覚めた。
納本を兼ねて、ミステリー文学資料館で資料探しをしてきた。それと、ここ半年の作業の思い出がこんな夢を見させたのか。