よもやまさかの人前話 桑野塾

昨年末に近く、K氏に誘われて初めて伺った講演会、「大正二年のバレエ・リュス──『春の祭典』初演100年を記念して」講演者沼辺信一さん。バレエ・リュスと、当時の日本の芸術界の意外な結びつきに関する楽しい講演だった。その後の懇親会、自己紹介で「黒死館」と松山俊太郎氏について話したところ、世話人の大島さんから、その件で一発話してご覧なさいとお誘いを受けた。
当然お断りしたのだが、『黒死館逍遙CD・ROM』をご覧になって、更にご慫慂を頂いてしまった。
テーマは、素天堂の真ッ芯ををぶち抜く「ケルトルネサンス」をとまでいわれて、よりによってワセダ・ミステリ・クラブの本拠地であり、かの幻想文学研究会のお膝元である早稲田のキャンパス「桑野塾」において、人生初の人前話をすることになった。
こっそり誰にも知られず、恥さらしを掻き捨てようと思ったのだが、大手、搦め手からの追い込みをかけられてれて、そんなことも云っておられぬ状況に立たされての、ここに告知の次第となりました。
この期に及んで、もう、逃げも隠れもできません。
あとは、素天堂が勝手に造り上げた「ケルトルネサンス」の世界を、皆さんにどれだけお届けできるものか、しどろもどろながらも、なんとか大島さんのお言葉に泥を塗らぬよう心がけるのが、精一杯の誠意だと思っております。