2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

かたちのないもの

本来、建築とは骨組みと周囲を隔てる構造材で構成された、誰が見ても触っても明らかな確固とした存在なはずなのである。しかし、そこに〈まぼろし〉という形容詞が付いたとたんに、あやふやな、見えるような見えないような存在に変わってしまう。そんな存在…

戦前の映画とジャズに酔う

最近は、情報の的確さと早さでtwitterやmixiなどのSNSというシステムのお世話になり放しだ。今回も池袋コミュニティカレッジの講習会を聴講してきました。ゲスト会は飛び入り聴講可能だそうでこれはありがたいシステムです。 「喜劇と映画」という連続講義な…

スクリーンで見る『東海道四谷怪談』1959

渋谷シネマヴェーラ「中川信夫の全貌」最終日。 隠亡堀 数十年ぶりのシネマスコープ画面に繰り広げられる怨讐劇。低予算とヤケッパチが生んだ奇蹟の傑作。 研ぎ澄まされた緊張と、画面の切り替えが織りなす恐怖の素晴らしさ。主演の、お岩、伊右衛門は勿論だ…

夜明けの空目 おまけのポスター「花嫁吸血魔」だった!

陶酔の耽美は遠く 中川信夫『女吸血鬼』1959

ホラーより怪談が好きだったから、感想を言えば、面白かった。なのについ言いたくなる、だけどなあ、の一言。登場する要素の一つ一つはいいんだけど、例えば、天知茂のクールさとか、松村邸のお屋敷感がよかったとか。キリシタン時代の血が連綿と続く家系と…

円了、東銀座、ポオ講義

「存在の謎に挑む 哲学者井上円了」展。mixi仲間のHさんの記事を見て、さっそく丸の内行きのバスに乗った。呉服橋側の停留所で降りて、丸の内オアゾへ入る。丸善4Fがギャラリーで、文具売り場の奥だ。入口で思いもかけぬお土産を頂き、中をのぞくと左手に大…