2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

二冊の“重い”本(1)  尾島庄太郎「英吉利文學と詩的想像」北星堂書店 高橋義孝「ファウスト集注」郁文堂

昨年の五月以来更新の滞っていた“辞典”の更新を、絹太氏に手伝ってもらって、やっと完了させたのだが、その時の作業の合間に表記の二冊を検索してみた。店頭では見かけないか、比較的高価になって買いにくくなっているものだ。こんな本があったらなあ、とい…

落穂拾いから 合本というもの 続

前回の演劇雑誌に続いて、今回は美術関係に。美術関係といえば、洋ものでいえば、「The STUDIO」19世紀末に創刊された英国の美術雑誌、ビアズリーなども関係したこともあるのだが、なぜかその合本が比較的安価に手にはいるので、20世紀初頭の装飾美術な…

落穂拾いから 合本というもの

素天堂のように金はないが、好奇心は有り余るほど持っている、という人間にとって、戦前の好事家による雑誌の切り抜きを製本屋で綴じさせた合本ほどありがたいものはない。他の記事や目次を欠いており、趣味の偏りでまとまっているので、書誌的にはほとんど…

アイヴィー・リーグ ルネサンス対決 マシュー・パール「ダンテ・クラブ」コールドウェル/トマスン「フランチェスコの暗号〈下〉 (新潮文庫)」

あいにく、ひねくれ者の素天堂はあの大ヒット作「ダヴィンチ・コード」をまだ読んでいない。ルネサンス気違いでレオナルド・フリークなのにというか、だから、読みたくなかったといっていいかもしれない。ただこの二冊と比べられることが多いので、そのうち…

なんだかうれしい 文庫占い

彩古さんの日記から思わずいってしまいました。 とは言いながら、この結果はなんだかうれしい ● フランス書院文庫さんのあなたは、人を楽しませることにかけては天賦の才能を持った人。宴会でもイベントでも、その場を盛り上げるためには、身を削る覚悟を持…

ゴーロア風の笑いを極める イギリスもいいけどフランスもね ウゥジェヌ・ラビッシュ「人妻と麦藁帽子」「ペリション氏の旅行記」

発端は、脱いで木にかけてあった(ここ重要!)婦人用の帽子だった。そこを結婚式に向かう主人公の乗った馬車が通りかかったとする。そしてその帽子が、馬の好きな麦藁でできていたら馬はどうするだろう。ということでこの作品は始まり、とんでもない方向に…

感情! こりゃ僕の仕事じゃない。 ラビッシュ二冊のこと

「人妻と麦藁帽子」「ペリション氏の旅行記」梅田晴夫譯 世界文学社1948/1949 この日記を御覧いただいている方なら、素天堂の趣味がいくつかの流れに分かれているのをわかって頂けるだろう。その大きな流れの一つが「笑いの要素」なのだ。例えばケストナーの…