2006-01-01から1年間の記事一覧
マガジンハウスという出版社は、素天堂の世代にとっては、週刊誌といえばオヤジの通勤のお相手でしかなかった頃に登場した、今はなき「平凡パンチ」であり、今ではすっかり様変わりしてしまった「an・an」の創刊当時の尖った編集コンセプトが忘れられな…
最近の「UNCHARTED SPACE」by フクさん で体臭文学館の話題がでていたからではないが、なんとなく、こんなタイトルにしてみた。 この日記に遊びにきてくれる方々なら「新青年」というキー・ワードは、先刻ご承知だと思うし、立風書房版の大冊を始め文庫本に…
またも懲りずに思い出話だが、文藝春秋社から刊行された長沼弘毅著「シャーロック・ホームズの世界*」1962が、その瀟洒なカヴァー絵とともに中学生だった素天堂にもう一つの世界に引き込んでくれたのだった。太めのペンで古いロンドンの町並みを描いた木版画…
絹太氏から知らされて、眠い目をこすりながら確認した。 愛娘の描かれた肖像をプロフィルに掲げての再開です。先日Mixiの芦辺拓氏の日記に旧サイトのcashが取り上げられていて、お知らせしたいと思っていた矢先だったので、この偶然を喜んでいます。 自分自…
この間は早すぎてイメージのみの梅見物だったのだけれど、昨日はノンビリと、絹太氏と連れだって梅祭真っ盛りの亀戸天神へいってきました。素天堂宅から自転車で20分くらいなので、ちょうどいい散歩コースです。もっていったカメラの電池が切れていたり、…
「英吉利文學と詩的想像」のことを書いていたら、なんだかケルトがらみの、辞典制作初期の思い出などがうかんできたのだけれども、この二冊目の“重い”本のことを書くまでは、と自粛。 大判画集や辞書の類をのぞけば、同じ版形で重いだけなら、例えばウイット…
昨年の五月以来更新の滞っていた“辞典”の更新を、絹太氏に手伝ってもらって、やっと完了させたのだが、その時の作業の合間に表記の二冊を検索してみた。店頭では見かけないか、比較的高価になって買いにくくなっているものだ。こんな本があったらなあ、とい…
前回の演劇雑誌に続いて、今回は美術関係に。美術関係といえば、洋ものでいえば、「The STUDIO」19世紀末に創刊された英国の美術雑誌、ビアズリーなども関係したこともあるのだが、なぜかその合本が比較的安価に手にはいるので、20世紀初頭の装飾美術な…
素天堂のように金はないが、好奇心は有り余るほど持っている、という人間にとって、戦前の好事家による雑誌の切り抜きを製本屋で綴じさせた合本ほどありがたいものはない。他の記事や目次を欠いており、趣味の偏りでまとまっているので、書誌的にはほとんど…
あいにく、ひねくれ者の素天堂はあの大ヒット作「ダヴィンチ・コード」をまだ読んでいない。ルネサンス気違いでレオナルド・フリークなのにというか、だから、読みたくなかったといっていいかもしれない。ただこの二冊と比べられることが多いので、そのうち…
彩古さんの日記から思わずいってしまいました。 とは言いながら、この結果はなんだかうれしい ● フランス書院文庫さんのあなたは、人を楽しませることにかけては天賦の才能を持った人。宴会でもイベントでも、その場を盛り上げるためには、身を削る覚悟を持…
発端は、脱いで木にかけてあった(ここ重要!)婦人用の帽子だった。そこを結婚式に向かう主人公の乗った馬車が通りかかったとする。そしてその帽子が、馬の好きな麦藁でできていたら馬はどうするだろう。ということでこの作品は始まり、とんでもない方向に…
「人妻と麦藁帽子」「ペリション氏の旅行記」梅田晴夫譯 世界文学社1948/1949 この日記を御覧いただいている方なら、素天堂の趣味がいくつかの流れに分かれているのをわかって頂けるだろう。その大きな流れの一つが「笑いの要素」なのだ。例えばケストナーの…
宗男議員さまのアルバムを拝見して、また書き込もうと思ったのですが、人様の日記へのコメントとしては長くなりそうなので、こちらにupすることに。 自分の古い友人に当時やっと意識されはじめた“近代建築”の保存を記録しようという男がおりました。今も健在…
「青柳瑞穂の生涯」を読んで、そういえばと魔窟を探ったところ、クロースで改装した白水社版「アルゴール」を発掘できた。この本は澁澤の「夢の宇宙誌」ルイ・ヴァックスの「幻想の美学」とともに、高校時代から、手放すこともなく手元に置いてきた数少ない…
平凡社版 世界猟奇全集第十一巻「女の迷宮」ジャビダン妃殿下著 丸木砂土・和田顕太郎共訳男として、あの“ハレム”に興味を示さないものがあろうか。それについては、著者自身「怪しげな空想」と語っているとおり、そういう妄想である種の理想郷を創り上げて…
著者の、いわば男らしいキレのよい文章のファンである。ピアニストつながりでいえば、「蛮族」のエッセイ・シリーズの著者中村紘子の文章も、性格は違うけれども、ジェンダーを越えた勁さがやっぱり好きだった。で、その人がグラック「アルゴールの城」や怪…
戦争が騎士道による白兵戦という美名から、大型兵器による大量殺戮の応酬に変わってしまった、第一次世界大戦の終決への言及からこの話は始まる。ケルト民族由来の凶凶しい名前の島に起こった、異様な大量殺人から始まる、猟奇と言うもおどろおどろしい事件…
たくさんのお買いあげありがとうございます。 実は作者の散々満ちる氏から、以下の正誤表が届いています。変換ミスではすまない個所も含まれておりますので、こちらでも公開することにいたしました。どうかお手数ですが、よろしくご参照ください。 なお、昨…
うーん。どうなんだろう。端から見れば実用でも何でもない、趣味の読書にしか見えないのに、自分にとっては“何かのために読む”という、いわば、プラクティカルな資料漬けの読書が、この2ヶ月ほど続いて、いささか、悲しいものがある。 無用の用。純粋に楽し…
どうやら、コミケも終わって、今年の正月は思いっきりのんびりしてしまいましたが、素天堂がグダッとおとそ気分でいるうちに、絹太君が通販フォームを修正してくれたので、改めて、散々満ちる氏「眼鏡文人 虫太郎特集」を含む「逍遙」通販を開始いたします。…
馬齢を重ねれば、年が短く感ずるのは当たり前のことかもしれませんが、それにしても昨年は、盛りだくさんのイヴェントが目白押しで息つく暇もない一年でした。 皆様のおかげで、楽しい年を送ることができました。ありがとうございます。 そして、皆様におか…