2011-01-01から1年間の記事一覧

こんな夢を見た

それが自分なのかもわからないその人物(どうやら男のようだ)は、不安の真っ只中で、胸に古い漫画の切り抜きの束を抱え、見知らぬ人に囲まれて雑踏の中を彷徨っている。売ろうとしているのか、棄てようとしているのか、どうしようもないまま袋にも入れずに…

通販怪死(atok変換のママ)! とコミケのお礼

いかにも大笑いな誤変換とともに、『黒死館逍遙 別巻 まぼろしたてもの考 1』の通販のお知らせです。 いつものように黒死館古代時計室、黒死館徘徊録からお願いいたします。 本人の告知より早く藤原編集室、業務日誌で取り上げていただいております。明日に…

コミックマーケット80 新刊告知『黒死館逍遙 別巻』

今回はちょっと遅れて新刊が納品されました。 素天堂による本文は四十ページ弱、資料編が七十ページ近いという言語道断な構成ですが、いわゆる鳥瞰的な幻想建築史が、六十年代初頭の彰国社版『幻想の建築』以来刊行されていない現状の中で、少しはお役に立つ…

のりもの二題

一ヶ月に渉る原稿作業が終了して、ご褒美ということでちょっと息抜きしてきました。 その第一弾はINAXギャラリーの「凝縮の美学 名車模型のモデラーたち」展。大昔から読書と並んで乗り物好きだったこともあって、中学生の頃から、出始めのプラスティッ…

煉獄の熱気を抜けて

ネタ切れの繋ぎで企画した別巻だったが、思いもかけない伏勢のお陰で七転八倒。細切れで使用した、部品の補充に呻吟していた旧版「まぼろしたてもの」の苦肉の策の再構成が、本来の主旨どころか、その玄関に辿りつくことも出来ずに終わってしまった。 その原…

天国のような煉獄の日々

恒例になってしまった、コミケまえの修羅乱舞。とはいえ、今までのほぼゼロスタートに比べれば、と思っていたら、やっぱり、似たようなものになってしまった。『黒死館逍遙』としては、テーマも出尽くし、云いたいこともなくなったので取り敢えず終了し、今…

土曜夜の新宿東口から昭和の御代を覗く夜へ

何とも、国民のオモチャ時代のタモリが懐かしいネーミングの「豊崎由美アワー 読んでいいとも!ガイブンの輪 vol. 15 豊崎由美×青柳いづみこ」 前回の一箱古本市で個人賞(賞品美味しく頂きました。)を下さった豊崎さんと、独創的なエッセイで大ファンの青…

文学フリマ12 出展報告

きのうの雨が薄曇りに変わって、じっとり汗ばむような湿度の高い朝になりました。前回まで、部数を絞って完売を繰り返し、お客様に迷惑をお掛けしたので、今回はK氏の提案で、思い切って持ち込みを増やしました。 その甲斐あって、毎回新刊待ちの常連さんに…

文学フリマ12 参加のお知らせ

先月の谷中の道ばたの熱中症以来、若干更新が滞っております。夏の新刊に向けて、『逍遙』バックナンバーを読み返したり、資料と称するものを並べ替えたり、意味もなく持って歩いているうちに、夏のコミケに当選が決まってしまいました。昨晩の「またがんば…

捏・抽・障? 道端の本売り稼業

二十一日、谷中よみせ通りのわくわく大感謝祭に参加いたしました。 りぶれ・とんすら以外は強者揃いの店主さんたちでしたが、日中の強烈な日差しの熱と、人通りは多いのに、寄ってくださるお客さんの目が冷たいのとでみなさん苦戦を強いられたようです。 た…

何たる奇跡 都心の駅に琉球新報が

五月九日付、琉球怪談翌日の写真入り掲載誌が手に入りました。 一部組み替えてありますが、内容に欠けはありません。

よみせ通り感謝祭 5/21(土)10:00-16:00 雨天中止

今回は【児童文学と謎めき科学】をテーマに追加補充します。 以下今回の新たに追加する目録です。 一部テーマから外れていますが、ご容赦ください。 この他以前の一箱で売れ残った本を廉価で放出予定です。★文庫★ おはなしのたからばこ 今江祥智・内田也哉子…

LIBRE TONSURE(りぶれ とんすら)こりずに再登場

谷中から雨の中送った段ボール箱も届き、やっと在庫の整理が終わった頃、意外なご招待メールを南陀楼綾繁さんから頂きました。 今回の売れ行き良好店主や個人賞を頂いた店主に谷中の「よみせ通り」(皆様お馴染みコシズカハムさんのある通りです)で行われる…

『まぼろしたてもの』

一箱出展の準備を始めようとしている時、K氏宛に電話がかかってきた。珍しく長話だったのだが、相手だった妹さんがレモン画翠主催の「第33回 学生設計優秀作品展 −建築・都市・環境−(LEMON展)」の展示作品に選出されたのだそうだ。以降のあれこれは省略する…

嬉しい誤算が沢山あって

「不忍ブックストリート 十二回」出展報告 今回は昨年の失態に懲りて、少し早めに家を出る。さらにアクセスがうまくはまって、早めに大家さんの「信天翁あほうどり」店頭に到着する。 ありがたいことに今回は隣の中華屋さん「深圳」のパラソル付きデスクをお…

受賞御礼

例によって纏まらない品揃えでしたが、今年は本読みのプロ、豊崎由美さんのお眼鏡に適うという僥倖で、豐崎さんの個人賞にご指名頂きました。例年にもまして、支離滅裂の品揃えでしたが、これに懲りずに来年もよろしくご贔屓頂けましたら幸甚でございます。 …

一箱古本市 出品目録

今年も「不忍ブックストリート 第12回」に出展させて頂きます。 LIBRE TONSURE参加日 5月3日(祝・火) 午前11時〜午後4時【雨天決行】 出店場所:古書 信天翁+深圳 西日暮里3−14−13 ■補充用を含めた目録です。気になる本が見当たらないようでしたら、お気…

既知との遭遇

K氏が最近、マニアックなプログラムに興味を持って邦画の上映館を覗きにいく。まあ、一ヶ月に一回程度だが、その度に、IK氏と遭遇する。上映後の待ち合わせをしていると、なぜか隣であの細い眼でニコヤカに微笑む〈OJBR〉氏がいてビックリする。一回…

些事片々

国立新美術館「シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―」でシュルレアリスムの真髄を実感する。ブルジョア的偽善と常識を、研ぎ澄まされた感覚で組み立てられた冗談でひっくり返す。 麗々しくガラスケースに鎮座する訳の分からないオブ…

些事少々 あれからの日々

四週間たって、終わらぬ冬の日々に首都圏でも未だ焦臭い日々が続く。 通勤で使っている都営地下鉄、毎月テーマを決めた沿線情報「ぴっく・あっぷ」の広報ポスターが掲示されている。ついこの間まではよくある「桜情報」だったのだが、まだ来ぬ春に花も咲かぬ…

あの時に

十年ぶりに、積ん読の呪縛を解き放ち、山田正紀の大作『ミステリ・オペラ』を読了し、既に評価の高い同作の感想をあれこれ考えていた矢先のことだった。 三月十一日十五時四十七分。素天堂はある都心の駅のホームにいた。既に作業は終り、ホームの外れで片づ…

アール・デコの隠れた女神 Gerda Wegener

ゲルダってだれ? バッカス 1920年代から30年代にかけて活躍したデンマーク出身の画家・イラストレ−ター、ゲルダ・ヴェゲナーとその夫アイナー・ヴェゲナー=リリー・エルベの奇妙な生涯を紹介することにしました。その時代は、ご存じの通りアール・デコの真…

グラン・ギニョール城 (創元推理文庫)作者: 芦辺拓出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/04/28メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (31件) を見る

この作品を知ってから約十年。短い通勤の合間を縫ってやっと読了することが出来た。ヌヴォー・ロマンを思わせる凝った構成のこの作品が、ある意味ミステリの枠を超えた傑作なのは既にあちこちで語られているから、素天堂如きが屋上屋を重ねる筋合いでもない…

商業美術の世界 20世紀のポスター[タイポグラフィ] 東京都庭園美術館

デザインなどとカタカナで呼ばれる前から、ポスターや装幀などの商業美術に強い興味を持っていた。 『暮しの手帖』の花森安治の手書きのレタリングに憧れ、中学校時代にはなけなしの小遣いの中から授業料を捻出して、デザインの通信教育を受けたりしていた。…

六十九年のノートから 思い出したくないこと 忘れたくないこと

花村清枝のノートから マウンテンゴリラの眼を解剖するまえに、シリウスにはおまるがないのだと云うことを知らねばならない ☆ 苦しげなとりの声が ☆ 細くくびれた胴体、ニカワでぬりこめられた唇 NII ひとつの富をおまえは得た。 See the Angel, angle wo…

神保町の底力、南部の底力

昨年の暮れM倫館で買った足穂本、梶島二郎著『非ゆうくりっど幾何學』、足穂の題材のなかでも最も縁遠い、数学分野での資料。気の利いた感想どころか、何處に何が書いてあるかさえ覚束ない体たらくでいたら、今年になって、同店の店頭にまたもや同じ本が出…

ないものを探す Iさんへのコメントに代えて

Iさんから再三のご教示を頂いた。長くなりそうなのでお礼のコメントに代えて日記で書かせて頂くことにした。 確かに最近のインターネットでの資料の公開にはめざましいものがあって、半端な公立図書館の蔵書など問題にならないくらいになってきた。そのうえ…

新規追加情報二件

新刊『黒死館逍遙 REGENDA NEGRA 漆黒伝説 『黒死館』民俗伝承と偽・聖者伝』の内容について貴重な情報を頂いたのでご紹介致します。まず、愛読者のIさんからの情報です。検索作業のお手本のような作業ですので、情報部分のみ原文通り引用させていただきます…

昨日渋谷で、今日上野

特に用事もなく、ノンビリした三連休。見ておきたかった渋谷「松濤美術館」の企画展「大正イマジュリーの世界 デザインとイラストレーションのモダーンズ」と科学博物館特別展「空と宇宙展−飛べ!100年の夢」 を続けてみてきた。ともに、K氏の企画である。な…

世の中に読まねばならぬ本などなく

書かねばならぬことなど何もないと思って生きてきた。 書ければ書くし、読みたい物だけを読みたい時に読めばいい。 そんなノンシャランを、一人の人物の死が揺さぶりを掛けたのである。 本当にそうなのかと、何時も会えばニマリとこちらを見透かしながら、古…