2008-01-01から1年間の記事一覧

まぼろしのしろ まぼろしたてもの(訂正増補)

「ギャラリー・オキュルス」〈幻影城の時代展 2008年9月16日(火)〜26日(金)〉オープニングに行って来ました。六時半、開始早々だというのにすでに廊内は立錐の余地もない。無理矢理という感じで入ったものの本日の主賓には近づくことも出来ない。やっと…

ね、眠れない!

勤務の都合で、二転三転し、散々ご迷惑をおかけしたにもかかわらず、Iさんから、早朝、ありがたいメッセージが届いていた。これで退社後、高輪台「ギャラリー・オキュルス」へ行ける。十三日の晩は何となく落ち込んでいたが、実際に個人誌のバックナンバー…

見学二題

このところ、感想の書けるような読書もなくご無沙汰していたこの日記、久しぶりの二連休なのに、朝から生憎の雨模様。予定も考えていたのだが、遠出もし辛いので変更。やむを得ない休日出勤のK氏と傘を差して家を出る。まず、K氏の勤務先へ向かい、江戸川…

ピエールとロベール。

ムッシュ・ピエールといっても大阪の飲み屋さんでクロースアップマジックをしているバーテンさんではない。素天堂の大好きな十八世紀の廃墟画家、ドマシーのファーストネームである。実はまたもK氏に黒死館徘徊録の表紙を飾ったイメージを集めて、よりきれ…

天国と地獄の美女

とっても疲れているK氏のリクエストで、彼女秘蔵のDVDボックス「江戸川乱歩シリーズ17 天国と地獄の美女〈副題 江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」〉」を鑑賞する。お正月特番だということで、いかにも一夜の夢にふさわしい華麗な題材である。主人公の一人…

競合 競争 協力

特殊なジャンルでありがちなのは、そのジャンルに関わっているのが極少数なので、お互いの動きを覗きながら、つい油断して作業の速度が弛みがちになることだ。そんなときに、いわば新しい力が加わると、その動きに拍車がかかることがある。そんな起爆力を「…

いま、危険な愛にめざめて

こんなタイトルを見たら、にんまりされる方もいらっしゃるかもしれない。勿論その隠れた(いや、おおっぴらか)意味にはそれほど意味はない。実は今K氏に例の黒死館辞書のアーカイブ作成を手伝って貰っているのだが、作業を進めているうちに、未確認条項の…

わが身を切り裂く二つのM

所謂十代後半。誰でもその頃には、妙な虫がつく。欲してもいない自分の、醜い変貌に嫌悪し、自らの意志とは関係なく湧き上がる、不条理な衝動に手が動く。その忌々しい衝動をノートに書き散らした戯れ文でも、紛いの行分けさえあればそれが自らの詩心の現れ…

宣伝

世の中にどれくらいの『黒死館殺人事件』読者が存在するのか、などということも考えずに始めた作業とはいえ、やはり出来るだけたくさんの方に知って貰いたいとは思っていた。勿論、コミケというイヴェントで直接お買いあげ頂くのが重要な目的ではあったけれ…

花村清枝という人

懐かしい名前です。芦辺さんのコメントを頂いたのですが、コメント欄では書ききれない思い出が、また、甦ってきました。 彼女は素天堂よりいくつか年上の、詩人になりたい人でした。結局芽どころか、種にもならずに七十年代初頭になくなりました。偶然託され…

悪魔の数字を百倍すると 思いつき突然プレゼント

キリ番には興味はあっても、大概それが過ぎてから気がつくことが多かった。今回ページビューの数字を見ていたら666**になっていた。悪魔の数字が666なら、その百倍を超えると言うことである。もし小頁ご覧の方で、左下隅の数字がめでたく66666になった方…

オトナ・ノ・アソビ

それを覚えたのは、中学校も終わり頃だった。生物の先生に連れて行かれたある場所が、生涯の悪癖の始まりになってしまった。小学校の上級生の頃に背伸びして仲間入りしようとしていた大人の遊びを、初めて具体的に知ったのだった。そうか、大人だったらこん…

〈新〉古代時計室 公開開始!

素天堂の怠慢で二年以上放置していた「古代時計室」が、生まれ変わって登場しました。体裁の不統一、画像処理の不手際などのせいで充分機能出来なかった辞典バックナンバーがK氏のプロデュースで面目を一新して再登場です。手間のかかる修正にもめげずここ…

「帝王死す」

赤塚不二夫が死んだ。〈逝った〉でも〈みまかった〉でも似合わない。TVモニター上で、ギャグコメントを撒き散らすだけの晩年であったにしても、例の思い上がりにすぎない〈萬画〉の先生よりましな晩年であった。他にも、ゴルフ三昧を自慢する人もいたが、…

第七号完成

本誌刷り上がりが届きました。今回は「黒死館妙ゴロジー 引用の妙 妙な引用 文学編」と題して、小栗虫太郎の引用技法の秘密を垣間見てみました。 なかなか一筋縄ではいかないのは承知していましたが、絹山絹子氏のあとがきにも書かれている通り、引用の妙は…

名前も判らない

遅い晩飯の仕度が終わって、とりあえず芸術劇場にチャンネルを合わせる。久し振りにバレーの録画だ。東洋風の魔女っぽいシーンに惹かれて見始めるが、当然、題名など判らない。なにせ、二十年来とはいえ、TVモニターでしか見たことのないインチキバレエフ…

暑苦しい花・再び

もう恒例になってしまった七月の虫太郎との戦いも、やっと二十六日の土曜日で終了した。K氏の協力による『黒死館』幻視アンソロジーが頁の半分を占めるものであり、素天堂の考証は、今回の本誌のやっと半分にすぎなかったものの、今まで以上の苦労を強いら…

副産物

といっても、今回は考証の辻褄合わせに四苦八苦する素天堂には、それが発生する余裕はありません。 カタカナ名前を生理的に受け付けないK氏が、独自の方法論と最新のアプリケーションを駆使しての検索作業をしてくれたので、今回の副産物は彼女のものでした…

引用の妙

『黒死館逍遙』新刊の内容が見えてきました。虫太郎の〈引用〉に関する方法の考証と、実際に引用された作品のアンソロジーで構成します。K氏の協力で作ってみたら、アンソロジーは英独仏伊に及ぶ不思議なものになってきました。意外な引用元も出てきたりし…

夏コミ 新刊予告

『黒死館逍遙』第七号は、現在低空飛行ながら、着々と進んでおります。もう少しで、具体的な内容をお知らせ出来ると思いますが、きっと、又、あんまり売れないんだろうなあ。

It!s Sho-yu Magic!

昼に入った定食チェーン。今日は入りがいいと思っていたら、すぐ脇に母親と三人連れが座った。最初は気付かなかったのだが、下の男の子とは、どうも英語で喋っているようだった。聞こえる感じでは日本語のイントネーションも問題ないのだが、上の女の子がと…

麗・貌・廟

多分、生まれて初めて、そんなものに罹ったらしい。先週の週末から今週前半にかけて、とにかくだるい、眠い、気力が起きないの一週間だった。風邪でもないし、なんだかわからない無気力が、鬱陶しかったが、冷房のかけすぎだとわかったら、きれいに飛んだ。…

ブレ・ストの乱暴者

といってもあの奇妙な色遣いが印象的な男色映画『ケレル』の話じゃない。 今回の新刊についての、K氏との初めての打ち合わせ。いわば論文形式の経験のない素天堂にとっての、容赦のない口撃は、まことに身に沁みるものであった。何としても出てこない、今回…

ネムノキみつけた

都内に越してきて初めて見た時、まるで木をピンク色の蝶が覆っているように見えた。何本もの名前も知らない木は、落ち込んでいた素天堂には夢のような光景だった。その公園も、タイミング悪く何度かの花の時期を逃しているうちに、ネムノキを伐った、ただの…

中学生とラスト・ダンス

熱烈とはいえないが、まず、興味を持って視ていた「古畑任三郎シリーズ」。その中学生編だというので、ちょっと覗いてみた。本当は、もうボチボチそんな余裕はないはずなのだが。 背景になる村の後にそびえるあの岩山は当然ギャグだと思っていたら後に出てく…

『黒死館逍遙』第七号の予定

取りあえず、K氏の確認で、夏コミの当選が確定しました。八月十六日(土)東W24A。 信じられないが、六回連続参加が可能となりました。いよいよ、内容の充実を図るべく、初心に帰って教養文庫版初版第一刷の、校正時手択本と取り組んでいます。今回はあ…

衝撃! あの本がネットで

そりゃあ、あの本も、この本もインターネット上で参照出来る今、驚く理由さえないかも知れない。何しろ、「聖典」自体が青空文庫にアップされているのだから。 『Dictionnaire raisonne de l’architecture francaise du XIe au XVIe siecle』。 西洋建築史を…

ゴシック・ロマン アルレー風

K氏が地元の本屋さんの、見切りの棚でみつけた『黒頭巾の孤島』、カトリーヌ・アルレーだというのだが、妙な題名でもありちょっと食指も動いたらしい。素天堂としては、『わらの女』以来、この作家の作品を手にとったことはなかったし、まさかそれを読むこ…

viviangirls が動いた!だけではなかった

世田谷美術館「パラレル・ヴィジョン展」1993での衝撃の出会いから、作品社の『ヘンリー・ダーガー非現実の王国で』2000刊行を経て、去年の夏の原美術館から約一年。もっとも映画公開は二ヶ月前だから約半年か。これまでは、ほとんどが絵画的な経験であった…

三本の遺作?について 〈ミステリ映画〉一九七二年の奇蹟

先日、赤坂の〈ですぺら〉で散々、ピーター・シェーファーの脚本を始めとして、その魅力を言い散らしておきながらその映画『FOLLOW ME!/ Public Eye』1972 がDVDどころか、ヴィデオでさえ入手不能だったのには驚いた。『第三の男』の名監督キャロル・リード…